オーギュストロダン「米ダート挑戦」へまた一歩 ディープインパクト産駒の英ダービー馬が見せる〝可能性〟
【TPC秋山響の海外競馬解析】イギリスのアスコット競馬場で18日から5日間にわたって行われたロイヤルアスコット開催は好天にも恵まれ計27万3526人が来場。8つのGⅠを含む計35レースを施行するイギリス競馬の祭典は盛況のうちに幕を下ろした。 今年の開催で最も印象に残っているのはディープインパクト産駒の英ダービー馬であるオーギュストロダンによるGⅠプリンスオブウェールズS(19日=芝9ハロン212ヤード)制覇。 今年に入ってからはGⅠドバイシーマクラシックが最下位12着、続く前走のGⅠタタソールズゴールドCも3馬身差の2着と連敗を喫していたが、今回は作戦を変えて、いつもよりも前に行く競馬を選択。残り300メートル付近で早めに先頭に立つと、最後はGⅡアルクール賞の勝ち馬ザラケムの追い上げを3/4馬身差退けて優勝。これで2歳時から3年連続のGⅠ制覇を果たすとともに、通算GⅠ勝利数も6に伸ばした(管理するA・オブライエン調教師は平地GⅠ400勝目)。 気になるのは今後のスケジュール。ひとつ年下の英ダービー馬で同厩舎のシティオブトロイ(父ジャスティファイ)との芝レースでの激突も見てみたいが、オブライエン調教師が今回改めて選択肢のひとつとして言及したのはアメリカのダートへの挑戦。 昨年のGⅠ・BCターフ遠征時にアメリカのダートで抜群の動きを見せたことから真剣に検討され始めたプランだが、今回前めにつける競馬で結果を残したことで、ダート挑戦に向けてまたひとつチェック項目をクリアした感がある。その動向に注目したい。
東スポ競馬編集部