【2024スポーツ名場面 日本中が感涙!】早田ひな パリ五輪 卓球女子シングルス3位決定戦
麻酔を打って手にした「執念の銅メダル」
3位決定戦直前の早田ひな(24)は、ラケットを振れるような状態ではなかった。シングルスの準々決勝で、左腕前腕部を負傷。準決勝では宿敵・中国の孫穎莎(そんえいさ)(24)に0-4で完敗した。利き腕に走る痛みは、尋常ではなかった。一人で入浴するどころか、髪さえ乾かすことのできない状態が続いていた。そして迎えた運命の日、早田は朝4時まで治療を続け、満身創痍で韓国のエース申裕斌(しんゆびん)(20)との3位決定戦に臨んだ。パリ五輪を現地で解説した卓球元日本代表の藤井寛子氏が話す。 【秘蔵写真】すごい…!大人コーデで夜の街に!? 石川佳純の「秘蔵写真集」(写真10枚) 「早田は試合の5分前に患部に麻酔を打っていたんです。本来なら、麻酔の効き目や腕の可動域を事前に把握するために練習したかったはず。しかし、あの時の彼女にその余裕はありませんでした。 負傷していた前腕部の影響がとくに大きかったのは、バックハンドでした。バックハンド系の技を打つ時は、手首を捻って打つ必要があります。この際に前腕部に痛みがあれば、手首を満足に捻ることができず、威力も回転も不足した打球になってしまいます。しかし、第2ゲームの後半から麻酔が効いてきたのか、早田本来のショットが復活してきました。これは奇跡に近いことです。早田の精神力と、試合中に起こった奇跡が、悲願の銅メダルを生んだのです」 選手生命に関わるケガを負ってもなお諦(あきら)めなかった女王の矜持が、日本中に勇気と感動を与えた。 『FRIDAY』2025年1月3・10・17日合併号より
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