東京マラソン完走で「能登に元気を」 被災地から参加したランナーに密着【バンキシャ!】
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3日、東京マラソンが開催され、約3万8000人が参加。なかには能登半島地震で最大震度7の揺れに襲われた石川県志賀町から駆けつけた人も。地元では今も被害の爪痕が残る中、“思い”を胸に夢の舞台を目指した一般ランナーに密着した。【バンキシャ!】 *** 3日朝、東京マラソンの会場でバンキシャが出会ったのは、会社員の小林三洋さん(45)。 小林さん 「緊張と楽しみと色々混じっちゃって、ちょっと眠りが浅いかもです。去年(2023年)走った、能登の万葉マラソン」 着ていたTシャツの胸には「能登」の文字。石川県志賀町から参加したランナーだ。小林さんが住む志賀町は、元日の能登半島地震で最大震度7の揺れに襲われ、いまも被害の爪痕が残る。 小林さんは、これまで地元のマラソン大会などに参加し、次は夢の舞台「東京マラソン」に向け練習を続けてきた。しかし、地震の被害で苦しむ人が多い中、出場していいのか悩んでいた。 小林さん 「走る気持ちにもなれなくて。やっぱり気持ちがついてこない」 しかし、1月下旬。自宅の断水が解消し、徐々に日常が戻りつつある中、妻からこんな一言が。 小林さん 「生活が落ち着いてきたところで妻の方から、そろそろ東京マラソンの準備しないといけないんじゃないのって」 悩んだ末、“被災地に目を向けてほしい” という思いで、東京マラソン出場を決意した。大会前日の2日、東京に向かう小林さん。 バンキシャ 「奥様から何か言われました?」 小林さん 「楽しんできてねって感じですね」 ――そして迎えた3日。 バンキシャ 「頑張ってください!」 小林さん 「ありがとうございます」 被災地への思いを胸に、スタートを切った。石川県・志賀町から参加したランナー小林三洋さんは、被災者の1人として“伝えたい思い”があった。 小林さん 「今回、能登のアピールもしますけど、被災地の人でも頑張って走っているところをちょっとでも見ていただいて、石川県の人とか全国の人に元気なところをアピールできれば、みなさんにも元気になってもらえれば」 家族の後押しもあって、実現した“夢の舞台”。 バンキシャ 「今の気持ちは?緊張しますか」 小林さん 「緊張はもういまさら…スタート遠いなって」 およそ3万8000人のランナーが参加する中、スタート前に話してくれた小林さん。自己ベストは、3時間40分ほどだが、被災したことで満足な練習はできず…。タイムは気にせず“完走”が目標だ。 (10キロ付近を走る小林さんに声援を送る)バンキシャ 「小林さん、頑張って~」 (13キロ付近/午前10時40分ごろ快走する)小林さん 「Tシャツ見て『能登頑張れ』とか『能登応援しているよ』と(沿道から)優しい声もいただけまして」 ――そして、小林さんは4時間32分28秒かけゴールにたどり着いた。 小林さん 「もうギリギリで(足)つりそうでしたね」 ――まず(電話で)、家族へ感謝を伝えた。 小林さん 「ゴールしました」 妻 「お疲れさま。楽しかった?」 小林さん 「楽しかった。すごい人、びっくりした」 妻 「全然練習できなかったのに」 小林さん 「思ったより走れた。いろいろありがとうね」 ――被災地に目を向けてほしいと出場した東京マラソンで感じたことは… 小林さん 「沿道からもあたたかい声をいただいたりして。逆に元気もらっちゃった感じで。能登の方に戻って頑張っていこうと思います」と話した。 *3月2日放送『真相報道バンキシャ!』より