資産は20億円に!88歳のデイトレーダー「もうけるためじゃなく、好きやから」 モットーは『くよくよしない』...阪神・淡路大震災がきっかけでいまの価値観に
20年前には“ネット取引をするシニア”としてテレビ番組で紹介
午前6時。ペットのインコ「ピーちゃん(オス)」がお目覚めです。 (藤本茂さん)「はーい、おはよう。なー、ピーちゃん。起きたい起きたい言うねんな」 茂さんは妻とふたり暮らし。毎日ほぼ同じルーティーンですごしています。 午前9時。取引開始です。3台のモニターを駆使して、目星をつけた銘柄の売り買いの注文を出していきます。 (藤本茂さん)「これも見なあかん、これも見なあかん。頭の中で動かしてる」 特に今年は投資への関心が高まり、取材が殺到。本を出版すれば12万部超えの大ヒットと時の人ですが、実はさかのぼること20年前、インターネットの株取引がいまほど普及していない時代に、ネット取引をするシニアとしてテレビ番組で紹介されていました。
バブル崩壊、リーマンショック…時代の荒波を乗り越える “株以外”の楽しみは?
19歳でペットショップに就職。その後、雀荘の経営に乗り出しましたが、1986年に3店舗すべてを売却し、専業投資家に転じました。「バブルの崩壊」「リーマンショック」と時代の荒波を乗り越えてきた茂さんですが、今年8月、また想定外の事態が。日経平均が「ブラックマンデー」を超える史上最大の下げ幅を記録。“世紀の大暴落”の影響が容赦なく茂さんにもふりかかりました。 (藤本茂さん)「含み損が2億6000万円やられた。おそろしい」 でも、その言葉ほど動じる様子はありません。 (藤本茂さん)「50回転んでも『くよくよしない』、100回転んで『くよくよしない』のがオレの主義やから。今回、ようさんやられた。これが株の世界です」 人生は日々の努力の積み重ねで、どんな時もくよくよしない、というのがモットー。いまの価値観にたどり着くきっかけとなったのが、1995年の阪神・淡路大震災でした。 (藤本茂さん)「ひとつ間違ったら死んでても不思議じゃないわけや」 地震で自宅は倒壊。それまでに蓄積した取引データはもちろん、何も持たず着の身着のままで避難しました。 (藤本茂さん)「生き方が変わるね、いかに人間が小さいかということやね。やっぱりがんばらないといかんわな。がんばらんと誰も助けてくれへんからね」 そうした経験もあってか、贅沢な服や車などには興味がありません。スマートフォンも、クレジットカードもなし。そんな茂さんの株以外の唯一の楽しみは、産地直送の「お取り寄せ」。この日は、鳥取県から朝に届いたばかりのモサエビを豪快に焼いて食べます。夜はフルーツ程度と軽く済ませるので、昼はちょっと豪勢に。午前と午後の取引の間に缶ビールも1本、これが至福のひと時です。 (藤本茂さん)「『食べて、よく寝て、適度に動く』これが健康の秘けつですよ」