カンヌ映画祭で最高賞 是枝監督が会見(全文1)タッチとラブの言葉に手応え
21年間の間での変化について
Cinema Art Online:Cinema Art Onlineの【アオヤマ 00:08:51】と申します。パルムドール受賞おめでとうございます。日本人がパルムドール賞を受賞するのはもう21年ぶりとのことなのですが、この21年の間でいろんなテクノロジーでしたり映像技術とかもろもろすごい変化を、変化進化をしてきたと思うんですけれども、監督が感じる昔のテレビでしたり映画、ドラマでしたり映画でしたり、あった良きものが今失われてしまったものが幾つかあると思うんですけど監督が感じるこの21年間の間でなんか失われてしまったなって思うものがあればお聞かせください。 是枝:映画からですか。 Cinema Art Online:テレビドラマでも映画でもです。 是枝:失われてしまったもの? Cinema Art Online:何か変化があったなって感じるものがあれば。 是枝:他人の作品を見ててってことですか。自分が関わっていて? Cinema Art Online:両方でぜひ。 是枝:なんだろうね。難しい質問ですね。変わってしまったもの。カンヌに行って思うのは上映がもうフィルムでなくなったので、僕がまだ撮影はフィルムにこだわって今回なんかもフィルムの質感というのはDCP上映でも残っていると思いますけれども、それでも上映がDCPになることで映画の形、見られる形が確実に変わってきているので、まだ正直そのことをなかなかどう受け止めて、それをむしろ積極的にその変化に対応していくっていうことが僕の中ではまだできてないので、実は。戸惑いながらどうしたらいんだろうっていう状況なんですよね。で、僕が捉えている映画、僕が映画に関わり始めてから20年の変化を一応一緒に歩んできたつもりで、最初フィルムの編集だったものがデジタルになってってっていうのはなんとか対応してるんですけど、そこから先まだこれからですね。これから。ごめんなさい、あまり答えにならないんですけど。 Cinema Art Online:ありがとうございます。 是枝:すみません。 司会:そういたしましたら後ろのほうの女性、白いジャンパーを着てらっしゃる。 【連載】カンヌ映画祭で最高賞受賞 是枝監督が凱旋会見 全文2へ続く