森永卓郎(66)が「ステージ4の膵臓がん」と公表。治療法・原因・症状を医師が解説!
膵臓がんの検査方法
膵臓がんと思われる症状がある場合、どのような検査を経て診断するのでしょうか。膵臓がんが疑われる場合に行う検査についてまとめました。 ■MRI検査 血液検査・超音波検査の結果から膵臓がんが疑われる場合は、MRI・CTでさらに精密な検査を行います。 膵臓は、胃・大腸のように内視鏡で直接見て確認できない臓器です。そのため、がんの位置・サイズ・数・範囲などを確認するためには画像診断検査が重要になります。 また、膵臓がんになると膵管・胆管が圧迫されることにより症状が現れることがあります。MRIで「MR胆管膵管撮影(MRCP)」という検査を行うことで膵管・胆管の状況を詳しく確認できます。 ■内視鏡的膵管造影 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)とも呼ばれる検査です。 膵臓の病変自体を内視鏡で観察することはできませんが、この検査は十二指腸まで内視鏡を挿入して胆管に造影剤を流してからレントゲンの撮影を行います。 ERCPは膵管の拡張・狭窄などを確認するほか、内視鏡で膵液を採取できる検査です。採取した膵液は病理検査に回して、がん細胞の有無を調べます。 ■腫瘍マーカー 腫瘍マーカーとは、血液検査により腫瘍がある可能性を確認するものです。 体内に腫瘍ができると血液中の特定の物質が増えることから、腫瘍マーカーの数値が上昇すると体内に腫瘍がある可能性が分かります。 腫瘍マーカーにはいくつもの種類があり、膵臓がんのスクリーニングを行う場合には下記の項目が主な指標です。 ・CEA ・CA19-9 ・DUPANII ・エラスターゼI この検査で膵臓がんの可能性がある患者さんには、レントゲン・超音波・MRI・CTなどでさらに詳しい検査を実施します
「膵臓がんの治療方法」についてよくある質問
ここまで膵臓がんの主な症状や検査方法などを紹介しました。ここでは「膵臓がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。 編集部: 膵臓がんを根治する方法はありますか? 甲斐沼先生: 膵臓がんは、がんの中でも予後不良になることが多いといわれています。これは、初期症状がほとんどなく「気になる症状がある」と受診したときには病気が進行しているケースが多いためです。しかし、膵臓がんは病変部の切除が可能な段階で発見できれば根治する可能性もあると考えられます。 編集部: 抗がん剤を使用しなくても治療は可能ですか? 甲斐沼先生: 転移などが無く、がんになった部分を切除する治療のみで治癒がのぞめると判断されると、抗がん剤を使用しない場合があります。しかし、膵がんは手術が可能な段階で発見することが難しく、また術後の転移・再発も多いがんといわれています。そのため、手術が適用にならず抗がん剤を中心に治療を進めたり、手術前・手術後に補助的に抗がん剤を使用したりする可能性が高いでしょう。