森永卓郎(66)が「ステージ4の膵臓がん」と公表。治療法・原因・症状を医師が解説!
膵臓がんの原因
膵臓がんは、発見されたときにはすでに手術ができないステージに進行していることも多い病気です。 ここまで紹介したように手術以外にも治療の選択肢があるとはいえ、できれば予防したいと考える方もいるでしょう。膵臓がんの直接的な原因は分かっていませんが、下記のような要因が膵臓がんのリスクを上げるとされています。 ・家族歴 ・糖尿病 ・大量飲酒 ・胆石 ・ストレス ・喫煙 まず、家族歴とは「親や兄弟などの血縁者に同じ病気の方がいるかどうか」です。 家族歴の影響は大きく、膵臓がんの家族歴がある方はそうでない方と比較して発症リスクが32倍になるといわれています。また、糖尿病は悪性腫瘍のリスクを上げる要因です。 膵臓がんの場合は、糖尿病の既往がある方の発症リスクは健康な方と比べると1.85倍というデータがあります。 そのほか、膵炎は膵がんの原因になり得るとされているため、膵炎の原因となる大量飲酒・胆石・ストレスなども膵がんの間接的な原因といえるでしょう。 そして、煙草に関しては多くのがんに対して発症リスクの上昇要因となることが知られています。膵臓がんについても喫煙が原因となり得るので、予防のためには禁煙が推奨されます。
膵臓がんの症状
家族歴なども発症に関係する膵臓がんですが、症状はどのようなものがあるのでしょうか。ここからは主な症状である、腹痛・体重減少・黄疸・糖尿病について詳しく解説します。 ■腹痛 膵臓がんは膵臓内を通る膵管にできることが多く、腫瘍が大きくなることで膵管が圧迫されます。 膵管が圧迫されて詰まると、膵臓で作られた消化液を外部に分泌できません。その結果、膵臓が炎症を起こして腹痛・発熱などの症状が現れることがあります。 また、膵臓は胃の後ろにある臓器なので、腹痛ではなく背部痛も膵臓癌によくみられる症状です。 ■体重減少 膵臓癌による体重減少には「食べられない」「消化が十分にできない」という2つのパターンがあります。 膵臓は食物の通り道である胃や腸に近接しているため、膵臓がんが進行して大きくなると、周囲の消化管も圧迫される場合があります。このような状況による食欲不振が体重減少の1つめの理由です。 また、膵臓は消化液を分泌するという働きがあります。そのため、膵臓がんができると消化機能も低下して「食べても十分に消化できない」という状態に陥ります。 その結果、栄養を十分に摂れなくなることが体重減少の2つめの理由です。加えて、消化機能が低下するため下痢など消化不良による症状がみられることもあります。 ■黄疸 膵臓から十二指腸へ繋がる膵管は、十二指腸付近で胆管と合流しています。 この胆管は、胆のうから分泌される胆汁を分泌するための管です。しかし、膵臓の腫瘍により胆管が圧迫されると、胆管が詰まって胆汁を十二指腸に分泌できなくなります。 正常に分泌されなかった胆汁が全身にまわることで皮膚や眼球結膜(白目)が黄色みを帯びた状態を黄疸(おうだん)と呼びます。 ■糖尿病 膵臓は膵液という消化液以外に、血糖値を下げるホルモン(インスリン)を分泌する働きがあります。 膵臓がんにより膵臓の機能が低下することで、インスリンの分泌量が減り糖尿病を発症することもあるため「生活習慣に変化は無いのに急に血糖値が上がった」という場合は注意が必要です。