「TikTok」は売れる? 「TikTok shop」の仕組み+活用法+現在地を米国EC企業の事例に学ぶ
小売事業者各社の「TikTok Shop」運用例
■ ナイトキャップ社は撤退 テクノロジー機器の小売事業者であるニューエッグは、「TikTok Shop」のような新興プラットフォームの動きを常に把握しておく必要があるとローダー氏は言います。
ただ、他の小売事業者における「TikTok Shop」の結果はまちまちです。たとえば、米ナイトキャップ社が販売する、薬や毒が飲み物に混入されるのを防ぐために開発されたドリンクカバーの「NightCap(ナイトキャップ)」は、「TikTok Shop」での販売をやめました。
「『TikTok Shop』は当初、私たちにとって素晴らしいサービスでした」とナイトキャップのCEO兼共同設立者であるシラー・ベナルド氏は話しています。 「TikTok Shop」での販売当初、「ナイトキャップ」の動画をプッシュし、定期的に拡散しました。ところが、「その後、市場が飽和状態になるにつれて再生回数は急降下しました」(ベナルド氏) その理由は、ナイトキャップ社のアカウントが“Webサイト”や“Amazon”という単語に言及した際、「TikTok」のルールに違反したと見なされてフラグが立てられたからだと言います。違反に認定されると、1回につき、アカウントは24時間から48時間凍結されます。 ┌────────── 結局、「TikTok Shop」での商品販売は運用不可能となり、現在は消費者向けの直販サイトとAmazonでの販売に注力しています。(べナルド氏) └────────── ■ ヴェラ・ブラッドリーはオーガニック流入+インフルエンサー施策で成功 米国の鞄メーカーVera Bradley(ヴェラ・ブラッドリー)は、「TikTok Shop」では堅実な手法を取っています。最高マーケティング責任者(CMO)のアリソン・ハイアット氏が『DigitalCommerce360』の取材に話した内容によると、ヴェラ・ブラッドリーは公式アカウントが直接投稿しなくても、クリエイターからのオーガニックトラフィックのおかげで「TikTok」から利益を得られているそうです。 「#VeraBradley」のハッシュタグが付いた動画は、「TikTok」でこれまでに1億500万回再生されており、ブランドの認知度向上につながりました。また、インフルエンサーと直接連携した投稿も行っています。 ┌────────── @verabradley So many styles for every day! #VBAOS #VeraBradley #Midwest #BackpackPurses ♬ Hesitation (Sped Up) - CORBAL & Shiloh Dynasty & LofiCentral └────────── 「#VeraBradley」のハッシュタグが付いた動画の一例 「TikTok Shop」への参入は、ヴェラ・ブラッドリーにおける2024年の優先事項の1つに掲げられています。 ┌────────── ほとんどのブランドは、何らかの形でインフルエンサーと協力しなければ勝ち残れません。このことは今後も強力な市場トレンドであり続けると見ています。 多くの人々が「TikTok」で好みのブランドを発見し、お気に入りのブランドと関係値を深めています。ブランドにとっては、「TikTok Shop」で買いたいものを見つけたユーザーが簡単に購入できるようにした方が良いと思います。(ハイアット氏) └──────────