「TikTok」は売れる? 「TikTok shop」の仕組み+活用法+現在地を米国EC企業の事例に学ぶ
ニューエッグの「TikTok Shop」活用法
バイトダンス社は「TikTok Shop」ローンチ時に参加した小売事業者に対し、ショッピング機能付きの動画の無料配信と、手数料の無料化をオプションとして提供しました。ニューエッグはライブショッピングを積極的に導入していたこともあり、いち早く「TikTok Shop」に参加しました。 ニューエッグは「TikTok Shop」を運用する前から、「TikTok」やその他のストリーミングプラットフォームを通じて、ライブショッピングですでに数百万ドルを売り上げていました。「TikTok Shop」の利点は、購入ステップの簡略化で、カスタマージャーニーのロードマップから購入までの障害を取り除けることと言います。 ┌────────── 他のWebサイトに遷移することなく、商品を販売している事業者から「TikTok」内で直接買うことができます。商品の認知から購買行動まで、購入までのすべてを30秒で終わらせることができるのです。(ローダー氏) └──────────
ニューエッグのプロデューサーであるベン・ティベルズ氏によると、「TikTok」におけるニューエッグの売れ筋商品はゲーム関連だそうです。ニューエッグは一般的に、コンピューター部品の販売で広く認知されていますが、「TikTok Shop」の顧客は若年層が多いからだと言います。なかでも、ゲーミングコントローラーや、複数のプレイヤーによる提携が可能な協力型ゲーム向けの機器は人気が高くなっています。
■ リピーター育成にも手応え ティベルズ氏は、新しい購買チャネルにもかかわらず、「TikTok」のユーザーは「TikTok Shop」での商品購入にあまりためらいが見られなかったと指摘しています。 ┌────────── 「TikTok」のユーザーにとって、「TikTok Shop」での買い物にためらいはなかったと思います。「TikTok」では初回購入者向けの割引クーポンや特典を次々と提供し、それが魅力的な動線となって、あっという間に強力なマーケットプレイスになりました。(ティベルズ氏) └────────── 特に2023年第4四半期(2023年10-12月期)のホリデーシーズンは、消費者がアプリ上で「TikTok」のお得な情報に引き寄せられたため、ニューエッグにとっては売上アップの大きな機会になりました。 しかし、ニューエッグの「TikTok Shop」の売り上げは、新規顧客向けの割引施策だけに依存しているわけではありません。 ┌────────── リピーターもいます。「TikTok Shop」で買い物をした多くの人が、自分が好む特定のブランドのためにショップに戻ってくるのです。お客さまは単に商品の買い物をするだけでなく、ブランドにも愛着を持ってつながりを深めているのです(ローダー氏) └────────── ニューエッグはまた、「TikTok Shop」に掲載する商品カテゴリーについてアフィリエイターからのリクエストも受け付けています。「アフィリエイターとの深い関係性構築は「TikTok」でのマーケティングの鍵です」とローダー氏は言います。 ニューエッグにはアフィリエイトマーケティング専門のチームがあります。社員が1日に何時間もアフィリエイターやクリエイターと電話で戦略を話し合ったり、質問に答えたりすることは珍しくありません。「TikTokの売り上げの強さは、視聴者との関係の強さにかかっているからです」(ローダー氏)