大神いずみ「我が家の験担ぎいろいろ。元勝負師・元木大介は、試合前にはタコを食べない。靴に足を入れる順番も。そして、何をしていても固まる時刻は…」
大神いずみさんは、元読売巨人軍の元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をした。球児の母として伴走する大神さんが日々の思いを綴る 【写真】冬の茶畑 * * * * * * * ◆野球人「関係者」である私の願いはただ一つ 真っさらな年を迎えるこの時、一年の家内安全、無病息災を家族で願うのはもちろんだが、「勝負事」を通年行なっている我が家の野球人たちの願掛けは、それぞれ三人三様だ。 野球人「関係者」である私の願いはただ一つ、 「ケガや病気のない1年でありますように」 平たい。でも何をおいても大事な願いなのだ。 手を合わせる、空を見上げる、目を閉じて胸に手を当てる…。 「関係者」は常に祈りと共にあるようなもの。ああ今年も何度空を見上げて「お願い頼むっ!勝たせてくで~!」と切に祈りを捧げることか…。(この時点で怪我や病気の心配ではもはや、ない) 長男・翔大は、昔からやたらとどこかに「書き込む」男だ。2023年、高3最後の夏は、帽子のツバの裏に「不屈」と書いてベンチ入りを目指し頑張っていた。実際に履正社が大阪大会決勝に出場した時、ベンチ入りならずスタンドの応援席の翔大がテレビに映って、まさかの帽子裏の「不屈」が大写しになった。親としては正直微妙。でもあのあと本当に「不屈」の精神で国体に出られたことは、なにより本人の願いが叶えられて感謝しかない。あの鹿児島の地に本当に立った時、母は息子に「あんたやるなぁ!」と思ったものだ。 次男の瑛介は、試合前一番淡々としているタイプ。ガチガチに緊張していてもなぜかそう見えない。あまり何か見える形で願をかけたり、祈ったりする方ではなさそうだが、人知れず裏でガンガン神棚に手を合わせているのかもしれない。
◆「タコ」って何? そういえば。 野球の打席で凡退することを「タコ」というのだが、元勝負師・夫は、試合の前に当たり前のようにタコを食べない。 いつだったか開幕戦の前のお祝い膳にタコの酢の物を作っていたら、日頃なんでも感謝してきれいに完食する夫が、何も言わずスッ、と酢の物鉢を遠くに置いた。 タコにならないように、タコ食べちゃえばいいじゃん!? タコ焼きもしかり、私の発想では試合前こそタコを食ろうて退治しておくべきだと思うんだが。 勝負師のこだわりは強い。絶対に試合前に口にしない食べ物、タコ。なんのこっちゃ。 私もこれまで「勝ち」を呼び寄せる縁起のいい食べ物は何かと、いろんなものをここ一番の試合前に用意してみた。
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