「夫は仕事、妻は家庭」37・5%が肯定 広島県は保守的? 全国より賛成派の率が高く
広島県では「夫は仕事、妻は家庭」に37・5%が肯定的―。県がジェンダーバイアス(性別を巡る固定観念)に関する実態調査を実施したところ、こんな傾向が浮かび上がった。全国調査の28・4%を大きく上回る結果。専門家は保守的な意識の強さを指摘している。 【グラフ】男女平等?性別意識に影響与えたのは? 広島県のジェンダーバイアス調査実態調査 15~69歳の男性524人、女性514人の計1038人にインターネットで尋ねた。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、「賛成」「どちらかというと賛成」と答えた人は県全体で37・5%。賛成派の率が全国より9・1ポイント高かった。 県は男女の平等性についても質問。社会全体▽政治の場▽学校教育―などの各分野で「男女の地位は平等か」と尋ねると、社会全体では27・4%が「平等だ」と答えた。全国の14・5%に比べるとかなり高い。政治の場では22・7%が平等感を持っており、全国の8・8%を大きく上回った。県議会(定数64)の女性議員は8人で、全国平均の14・5%(2023年調査)には達していないのだが…。 県はこのほか、「男だから、女だからこうすべき」という考え方の影響を与えた人についても聞いた。トップは「親」で33・6%。配偶者やパートナー21・7%▽職場や上司、同僚16・7%▽学校や先生10・0%―と続いた。「他者からの影響を受けていない」は30・0%だった。 ジェンダー問題に詳しい県立広島大の上水流久彦教授(文化人類学)は「広島県は全国と比較し、『夫は仕事、妻は家庭』といった従来の価値観に対して保守的な意識が強いことが読み取れる」と指摘。県わたしらしい生き方応援課の佐伯美香課長は「周囲から価値観を押しつけられると、生きづらさにつながる。社会全体がバイアスを変えていかないといけない」と話している。
中国新聞社