何時に起きるのがベスト? 専門家が訴える「起床時間を固定する」重要性
●「レム睡眠」「ノンレム睡眠」のバランスを考える 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があると聞いたことがある方もいるかもしれませんね。 簡単に説明すると、記憶の整理や定着をおこなう役割をもつのがレム睡眠、脳や体を休める役割をもつのがノンレム睡眠です。そして、眠りはじめの90分で成長ホルモンを活発に分泌させるのも、ノンレム睡眠の役割です。 レム睡眠は、ノンレム睡眠に比べて軽視されがちなのですが、実は、レム睡眠に入っている間は唯一ストレスホルモンが脳内に存在しない時間帯で、「メンタルヘルスの時間帯」と言われています。つまり、レム睡眠は、私たちの精神を健康に保つために重要な役割を果たしているのです。 このように、睡眠の段階にはそれぞれ大事な役割があり、私たちは、その両方を充実させることで最大のパフォーマンスを発揮できると考えられます。
どんなに忙しくても起床時間を固定する
パフォーマンスアップのための「攻めの睡眠術」として、まず必ずやっていただきたいのは、起床時間の固定です。どんなに忙しくても、いつもと同じ時間に起きることを目指してください。就寝時間も固定できればベストですが、忙しいビジネスパーソンは、どうしても仕事の関係で寝る時間が遅くなることもあると思います。 ですから、寝る時間を固定するのは難しくても、起きる時間だけはできるだけ固定することが大切です。 ●社会的時差ボケを防ぐために 社会的時差ボケ(英語では「Social Jetlag(ソーシャル・ジェットラグ)」という言葉があります。飛行機で外国に移動したからではなく、日常生活の中で、起床時間のずれ、夜型生活、寝だめなどのために時差ボケ状態になることを指しています。 この社会的時差ボケが2時間以上あった人は、1時間以下の人と比べて、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌量が増えたり、安静時の心拍数が増えたりすることが研究でも明らかになっています。そのため、メンタル不調になるリスクも高いことが指摘されているのです。 睡眠のリズムが崩れて体内時計がずれると、ホルモンの分泌や深部体温の変化、自律神経の働き自体も、みんな後ろ倒しになってしまいます。 そういう状態ですと、本来なら仕事の時間に高い集中力やパフォーマンスを発揮できているはずなのに、それが叶わなくなってしまうのです。 ですから、仕事でいい結果を出すには、起床時間も、できれば寝る時間も、固定することがとても大切です。食事の時間もなるべくずらさないようにしましょう。腹時計を安定させることも、体内時計の安定につながるからです。
ヒラノマリ(スリープトレーナー)