「四季報」最新号で読み解いてわかった「非製造業」が堅調な理由 製造業の懸念材料とは?
東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフエコノミストの松岡幹裕氏とともにマーケットを展望する動画連載「Market Trend Report」。第12回後編は「出足好調な上方修正期待の企業を探そう」です。東洋経済新報社の島大輔『会社四季報』編集長が解説します。 【動画で見る】最新「会社四季報」を分析してわかった各業種の業績見通し 約3900社の全上場企業について、今期と来期の業績を独自予想している『会社四季報』。9月13日に発売した2024年4集・秋号では、全上場企業の6割超を占める3月期決算企業の第1四半期決算発表後に記者が取材、分析した。
会社側は出足の業績が好調でも、第1四半期の段階では期初計画を据え置くことが多いが、『会社四季報』では必要があると判断すれば、独自に増額した業績予想をしている。 『秋号の特徴は、今後、上方修正する企業を先回りして探すことができること』と、島大輔『会社四季報』編集長は話す。 今期予想を集計したところ、全産業ベースの売上高は前期比3.9%増収、営業利益は9.2%増。外部環境は変化が大きく厳しい状況もあり、個別に見ると各企業で好不調はあるものの、全体的に見ると製造業、非製造業とも比較的堅調で、増収増益の予想となっている。
来期も製造業、非製造業とも増収増益の業績予想だが、相対的には非製造業の堅調さが目立つ。この背景としては、アメリカの新大統領がどのような政策をとるか、アメリカ経済の減速懸念、為替動向などが、輸出企業が多い製造業の懸念材料となっていることが考えられる。 足元の動きで注目したいのは、株主還元を強化する企業が増えていること。業績の好不調にかかわらず、減配はせずに増配か配当据え置きのどちらかとする「累進配当」の配当方針を導入する企業も増えている。
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『会社四季報』編集部