マラリアの陽性反応もなお原因不明 WHO、「X病」解明へコンゴ民主共和国に増派
アフリカ中部、コンゴ民主共和国で11月以降に流行している原因不明の病気について、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10日、現地調査した検体からマラリアの陽性反応があったと明らかにした。米CNNが報じた。一方で、テドロス氏は「複合要因の可能性もある」と語っており、正確な原因は不明のままだ。命名もされておらず、欧米で「disease X」(X病)と呼ばれる病気の実態解明に向け、WHOはサンプル収集を進めている。 X病の症状は頭痛やせき、発熱、呼吸困難などで、同国南西部のクワンゴ州パンジ特別区で発生している。CNNによると、少なくとも416人が感染し、31人が死亡したが、多くが14歳以下だという。 テドロス氏は、患者から採取した12検体のうち10体からマラリアの陽性反応が出たと明らかにした。ただ、発生地は医療インフラが整っておらず、栄養失調や予防接種率が低いことなどから「マラリアや肺炎などさまざまな病気にかかりやすい」とし、「複数の病気が関与している可能性がある」とも指摘した。 すでに専門家チームが先月30日に現地入りしているが、WHOはサンプル数を増やして、正確な感染拡大原因を調べるため、今月10日に大規模なチームを増派したという。