クマの「執着」に緊張走る 紅葉シーズン前、伊勢原・秦野で目撃件数増
丹沢・大山を望む神奈川県伊勢原、秦野市でクマの目撃件数が例年を上回るペースで増加している。これまで人的被害はなかったものの、地元は間もなく紅葉シーズンで多くの登山客や行楽客を迎える。関係者は「散策中に遭遇することのないように、音の出るものを持って自分の存在を知らせてほしい」と注意を呼びかけている。 【写真】9月上旬に秦野市蓑毛地区で確認されたクマの足跡 クマの目撃・痕跡情報について、伊勢原市では22日現在で15件が寄せられた。前年同期比で3件増だが、8月8日には大山山麓の小易地区で目撃されたクマが、住民宅で飼われていたウコッケイなどを連日襲った。強い執着を見せたことから同10日にわな設置を県に依頼。半日も経たずにおりにかかり、その日のうちに捕殺された。その5日後にも同地区で別の個体が目撃されたことから、近隣には再び緊張が走った。 市農業振興課は「クマは基本的に臆病なことから、鈴やラジオなど人がいることを伝え、同行者がいる場合は会話をしながら散策を楽しんでほしい」と呼びかける。
神奈川新聞社