荒天のレースイベントの裏で ~様々な闘いがあったSUPER GT第6戦~
SUPER GT第5戦の鈴鹿大会が台風の影響で12月に延期されて、今シーズンの最終戦として行われることに。そしてスポーツランドSUGOで開催の第6戦が先に開催されることとなった。このところの異常気象によって東北の穏やかな初秋を感じられることなく、時折サーキット周辺を襲う豪雨によって大会のスケジュールも変更を余儀なくされた。決勝レースは、天候の変化を見つめつつ1時間スタートを遅らせるなどの処置で予定の300Km=84周を消化することができた。
単純にスタート時間を遅らせただけと思われがちだけれど、主催者であるサーキット=スポーツランドSUGOは周辺住民とイベント終了時刻などの申し合わせを守ることができるのか。順調にレースが進行すれば問題はないけれど、スリッパーな路面コンディションでは、安全な競技が行えるのか。もし大きなアクシデントが起きてしまい、レースが中断されたりしたら2時間30分の最大レース時間を超過した場合には予定の周回数をクリアーできないことだってあったかもしれない。
結果、一回のフルコースイエロー(FCY)の展開と2回のセイフティカー(SC)導入で大きなアクシデントもなく終えることができた。参加チームとドライバーにとっての闘いとは別に大会を運営する主催者とオーガナイザー、そしてプロモーターはイベントを告知通り、予定通りに遂行する闘いがあったのだ。その闘いの相手が自然というところに予想ができない難しさが…。土曜日の予選は雨量が多く開始時間を10分遅らせた後にチームマネージャーが招集され、再び10分送らされた後に予選は中止。午前中に行われた練習走行でマークされてタイム順で決勝のグリッドが決定された。
小雨の下、決勝は、GT300クラスの2台を除いて他車はレインタイヤで出走。SCスタートで3周し、4周目から競技が開始された。天候は徐々に好転。レース半ばのSC導入の際にほぼ全車がピットインして、スリックタイヤへ交換。しかし、コースは完全にドライアップしていたわけではなく。放送の画面でもお分かりのようにコースの所々でコースサイドから流れ込む川があった。難しいコンディションで絶妙なコントロールをして順位を争うドライバーたちと、それを支えたチームのタイヤチョイスなどの戦略は、モータースポーツの醍醐味を堪能させてくれた。