【北九州記念】葵S覇者ピューロマジックはペース上がっても問題なし 今年の3歳世代は一定のレベルにあると評価
血統解説:サーマルウインド、ピューロマジック
・サーマルウインド 日本での牝祖は3代母のウインドインハーヘア。いわずもがなディープインパクトの母だ。本馬の近くでは叔父アサヒ(父カレンブラックヒル)、従姉妹アドマイヤミヤビ(父ハーツクライ)など重賞で活躍した馬が名前を連ねる。成長力のあるファミリーで前走の春雷Sや3走前の信越Sの内容を見るとここにきて馬が完成してきたように見える。 また、前走が初めての1200m戦だったが問題なく走れていた。父がドレフォンだから一定のラップで走るのは得意なタイプ。古馬の代表格となるのは本馬だろう。ただ、スプリンターにしてはストライドの大きいタイプで、小回りの小倉競馬場がどうか。 ・ピューロマジック 日本での牝祖は6代母ビバレジナ。母メジェルダは1勝馬ながらファンタジーS2着の実績馬だ。本馬の全兄メディーヴァルは芝ダート問わず短い距離でJRA4勝のOP馬。半兄バグラダス(父マジェスティックウォリアー)も同じく芝ダート問わず短い距離でJRA4勝を挙げている。本馬を含めてJRAで出走した産駒3頭が全てOP馬となっているためメジェルダは非常に優秀な繁殖といえる。本馬は父がアジアエクスプレス。メディーヴァルも芝でOPクラスを勝っているが、本馬は牝馬なのでより芝に適性が高く出ている。 馬格がそこまで大きくないので馬場が渋ると苦しくなるが、開幕週の綺麗な馬場状態はベスト条件。ここもハナを取れば面白い存在になりそうだ。
Cアナライズではピューロマジックを推奨
今回はピューロマジックを推奨する。3歳馬対古馬という構図になりそうな北九州記念だが、古馬勢はそこまで強力なメンバーではない。またピューロマジックが制した葵Sは好時計で、今年の3歳世代はスプリント路線においては一定のレベルにありそう。ここもハナを主張すれば、たとえ前走よりペースが上がっても開幕週なら逃げ切れる。 【ライタープロフィール】 貴シンジ 競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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