武豊が〝乗りに来た〟マイネルブリッジが横綱相撲の完勝!異例の観客動員のオマケ付き/1997年・七夕賞
【記者が振り返る懐かしのベストレース】中央場所以外では北海道か関西第3場(中京、小倉)が主戦場となる武豊。関東ローカル(福島、新潟)参戦の際には大きな注目を集める。 【表】懐かしの馬名も!97年七夕賞結果 7年ぶり福島参戦となった06年の七夕賞は入場人員2万3698人。前年比112・7%の盛況を演出したが、“客寄せパンダ”で終わらないのが武豊のすごいところ。3番人気のメイショウカイドウを見事勝利に導いている。 この“武豊の勝負がかり”を初めて目の当たりにしたのが97年の第33回七夕賞。マイネルブリッジで勝ったレースだ。 記録として振り返ればマイネルブリッジ優勝は当然とも思える。仮にも前年の有馬記念3着馬なのだ。 しかし、当時の状況は決して“ブリッジ絶対”という雰囲気ではなかった。有馬記念後に新設ダートGⅠ・フェブラリーS(12着)を使い、当時は当たり前ではなかった海外遠征(Qエリザベス2世C9着=香港)を挟んでの〝過酷な〟ローテーション。おまけにトップハンデ58キロ。多分に乗り役が加味されての2番人気と思われていたのだ。 しかし…。 結果は好位から楽に抜け出す横綱相撲。2着クラウンシチーとの「1/2馬身」は着差以上の力差を感じさせた。まさに“わざわざ武豊が乗りに来た馬は勝負”そのままの結果。当時の馬券購入者が考えるべきことは、常識外ローテのマイネルブリッジについてではなく、それまで一度も乗ったことのない武豊を、福島まで呼び寄せた陣営の勝負度合いだったのかもしれない。 ちなみにその日の福島競馬場の入場者は3万8294人。土曜開催だったことを思えば、異例ともいえる観客動員である。お客を呼んで、結果も出す。千両役者・武豊の面目躍如たるレースだった。(2007年7月4日付東京スポーツ掲載)
東スポ競馬編集部