阪神 新庄ショック 聖地で大敗…引き立て役に 岡田監督、拙攻12残塁に嘆き節「五回までに逆転なるやろ」
「阪神2-8日本ハム」(29日、甲子園球場) 阪神が甲子園で引き立て役となってしまった。交流戦初戦で日本ハムに大敗。岡田彰布監督(66)は貧打と五回の森下の走塁ミスを嘆いた。メンバー表交換時に、阪神のユニホーム姿で登場した新庄監督の思うがままの展開で2連敗。首位・広島とは1差に広がった。 【写真】新庄監督 まさかの阪神ユニで登場 こらえきれない岡田監督笑ってるやん 聖地の主役を新庄監督に譲る形となった。試合前のメンバー表交換で敵将はタテジマの阪神ユニホームを着て登場。かつてのスターの粋な演出に甲子園は大いに沸き、岡田監督も思わず苦笑いするしかなかった。 “新庄劇場”にリズムを狂わされたのか、序盤にミスから先制を許した。二回1死二、三塁で石井のゴロは前進守備の二遊間を襲った。木浪が好捕して本塁へ送球。しかし、送球が三塁方向へそれて野選と悪送球となり、二走・田宮も生還し、2点を先行された。 ただ、指揮官の怒りの矛先は12残塁を積み上げた野手陣に向けられた。 「チャンスつくっても(走者を)かえさなあかんやん。五回までにな、リードしとかなあかんわな」 2点を追う三回には1死満塁の絶好機で森下が見逃し三振、大山が左飛に倒れて無得点。走者をためながら中軸が凡退する場面が繰り返された。四回は2死一、二塁から投手の大竹が左前適時打を放って1点差に迫ったが、近本が空振り三振に終わった。 岡田監督がもっとも問題視したのが3点差とされた直後の五回の攻撃だった。無死満塁から渡辺が中犠飛を打ち上げ1点を返した。だが、左中間への深い打球だったにもかかわらず、二走・森下は二、三塁間の真ん中で打球を見ており、三塁へ進塁できなかった。 「タッチアップもせえへんしのお。五回までに逆転なるやろ。追い越せとるよ、普通にやったら。だからあんな展開になってしまうんや」 派手なプレーは必要ない。なすべきプレーを「普通に」遂行するのが岡田野球の根幹だったはず。基本を怠った走塁を看過できるはずはなかった。島本、岡留ら中継ぎ陣も打ち込まれ、点差は開く一方。八回2死三塁で近本が一ゴロに倒れると、虎党の足は試合終了を待たず家路に向かっていった。 交流戦初戦は22、23年と連勝中だったが、3年ぶりの黒星発進となった。中止を挟んだ2連敗で首位・広島とは1差に広がった。新庄監督の引き立て役に回った岡田阪神だが、次戦は聖地という舞台で主役の座を奪い返す。