郵便・期日前投票の利用者数は8590万人、共和・民主の支持者で大差なし
【ワシントン=冨山優介】投票状況を分析する米フロリダ大選挙ラボの集計によると、今回の大統領選で郵便・期日前投票を利用した有権者数は約8590万人(米東部時間5日午後時点)だった。
郵便・期日前投票は、新型コロナウイルス感染症が広がる中で実施された2020年の前回選で、人との接触を避ける目的で普及し、この時は約1億145万人が利用した。
12年は約4622万人、16年は約4724万人で、今回は前回選ほどではないが、利用は着実に広がった形だ。
郵便投票は、車を持たず、投票所に行くことが難しい人でも投票できることから、低所得層の支持者が多い民主党が積極的に活用してきた。一方、共和党は身元確認が不十分だとし、「不正の温床だ」と各州で郵便投票の利用を制限しようとしてきた。
しかし、郵便・期日前投票が定着してきたことから共和党も積極的に活用し、票の上積みを図る方針に変わった。有権者登録に基づき、党派別の集計が可能なアリゾナ州など26州のデータによると、郵便・期日前投票を利用した有権者の37・5%が民主党支持者、35・7%が共和党支持者で、ほとんど並んでいる。
ただ、郵便投票は返信用封筒の署名と投票用紙の投票者の署名が一致しているかの確認など、集計に手間がかかる。大勢の判明や選挙結果の確定に時間がかかる一因にもなっている。