1万8000円の海鮮丼が外国人観光客に人気な理由 変わる世界との〝お財布事情〟日本のサービスと賃金が変わる「きっかけ」を
ポジティブな〝外圧〟で変化を
もう一つは現在国が推奨している賃金アップをどんどん進めることである。これまで賃金を低く抑えてきたので、消費者が高額なもの・サービスを購入できず、それ故に低価格戦略を継続せざるを得ないというサイクルが続いてきたので、それを逆転しようというのが政府方針である。 日本全体で賃金アップをし、消費者の購買力をあげて、製品・サービスの価格を上げ、企業が収益を確保でき、それがまた賃金アップにつながるというサイクルにするのである。その際、過去の高度成長期との違いは〝量を求めない〟ことであろう。自然資源のサステナビリティが課題となった現代は、稲盛氏が2択て提示していた後者「少量であっても利幅を多く取る」戦略を選択されることをおススメしたい。 もちろんこのシフトを進める際には、途中でさまざまな軋轢が生じると思われれる。企業の新陳代謝時や、収入が思うように上げられない人への生活必需品の支援などは公共部門が支援する必要が出てくるだろう。 日本の変化は多くの場合は外圧によって促進されてきた、今回のインバウンドはある意味〝お金を支払ってくれる〟外圧であり、それを変革のトリガーとしてポジティブに活用してはどうだろうか?
池上重輔