シラス不漁で関連業者も苦境に 『春漁に期待』も研究所「爆発的に増えることはない」 静岡・吉田町、静岡市
吉田漁港の前に店を構え、シラスを加工、販売する「丸三水産」。漁港のすぐ近くに工場を構えているため、鮮度の良さが自慢の店です。競り落とされたシラスは、すぐに工場に運ばれ、職人が手早く、丁寧に、絶妙な塩加減で茹で上げています。シラスの不漁が長く続く状況について…。 丸三水産代表取締役 藤岡尚紘さん:「自然相手なので、ある程度やむを得ないかなと思って、覚悟を決めて商売している。おいしいシラスが取れるのが何よりなので、量より質でがんばっている」
漁獲量は少ないものの、品質には恵まれている「シラス」。不漁の原因は、黒潮大蛇行やシラスの親であるイワシの減少などと言われていますが、こうした状況に漁協の考えにも変化が出てきています。 南駿河湾漁業協同組合 吉田支所長 園田信晴さん:「今までは取れれば取れるだけ(シラスを)取ったが、これからはそういう時代ではなくて、自然相手なので、自然保護ということも考えながら、漁もあるときに取るのではなくて、今後のことも考えて、(漁を)していかなければいけないと考えている」
用宗漁港の直売所「仕入れが高くなり売り上げあがっても利益少ない」
吉田漁港と同じく、県内でシラスが有名な「用宗漁港」。漁港の目の前に店を構えるのが「大漁丸直売所」です。直売所を併設するこちらのお店では、名物のシラス丼をはじめ、リーズナブルに海鮮どんぶりが味わえます(飲食は金・土・日・祝の限定営業)。 店の人気メニューの1つだというのが、新鮮な生シラスをふんだんに使ったどんぶりです。こちらの店では用宗漁港で水揚げされたシラスを使っていますが…。
大漁丸直売所 奥村尚美店主:「仕入れがすごい高いので、売り上げ上がったとしても利益として残る部分が少なくなってしまう。その辺が厳しい」
新型コロナが5類に引き下げられ、多くの人が外出するようになった今、シラスの減少とは逆に、おいしいシラスを求めてやってくる人が増えたといいます。 客(富士市から):「きょうは友達が初めてなので、一緒に来ました」 Q.一緒に来てどうですか? A.「とってもシラスも甘くて、新鮮だし、おいしいですね。 客(静岡市内から) Q.食べてどうですか? A.「最高です。生シラスが本当に新鮮じゃないですか、ほとんど毎週来てる」