発達障害のある方々が集う、発達障害バー「The BRATs(ブラッツ)」
私が取材に行った日は、午後5時の開店から10数席のカウンターに、引きも切らずにお客さんが来店する様子だったのですが、そんな中で初めて訪れたという2人に、話を聴きました。 男性客 「その特性があって、会社やお店で迷惑を掛けたことも、困ったこともあって、こういう場で新しい考え方、視野が広がったらな~と思って、今回来させていただきました」 女性客 「会社勤めがとても精神的に厳しい状況になったりもしたので、やはり自分は発達障害グレーソーンかなっていう。今はフリーランスで在宅で仕事しているんですけど、ちょっと人と会う機会があまりにもなさ過ぎたので、何か参加しやすいイベントか何か行きたいなっていうので、探していて…」 2人ともインターネットで、発達障害について交流できる場を探していて、ここを見つけたということです。カウンター越しに光武さんに、自分の悩んでいることや疑問に思っていることなど、一生懸命に話していました。 ■発達障害バーで救われた人、チャンスを得た人 この日はコロナ禍前から「ブラッツ」に通っているという常連客の男性も居ました。このお客さん曰く過去に仕事でトラブルになったのは、いわゆる「報連相=報告・連絡・相談」という、コミュニケーションの部分でのすれ違いで、損害を出したり、仕事相手を困らせてしまったりとか。そんな彼にとって、この店に来ることが大きな救いになったと言います。 常連客の男性 「自分がこうしたことで直せたんじゃないかと、他の人の話も耳に入ってくるじゃないですか。どうしても少数派なんで、あまりその話ができないっていうのがデカいんですけど、ここに来ると、こういう人が一定数いるんだと実感できるんで…」 「ブラッツ」は、似たような悩みを抱えた人と話せる、貴重な場というわけです。そして、マスターの光武さんが当事者なのも、やはり大きな安心感なんです。 さてその光武さんは、元は塾の講師などしていたんですが、その後には、この店で出会った方など、発達障害のある方の就労や転職などに関わる業務などを行っていました。そんな中で、発達障害故の特性を活かして、その本人にピッタリな転職ができた例を紹介してもらいました。