佐久間PはDMM TVで何をしたいのか?『インシデンツ2』の魅力 90年代映画を思わせる痛快さと狙い
配信の仕方で「引きの作り方を変える」
ガラの悪い男が何度も芸人を殴るドッキリ番組、ロケ番組の収録中に性行為をしてしまう俳優、潜入YouTuberの撮れ高をサポートしようとするぼったくりバーなど、地上波にはそぐわないであろうシーンも少なくない。 しかし、それらは単純に“脱法”に寄せたコントではなく、インシデンツの世界観を保ちながら、あくまでも笑える作りになっている。この点について佐久間氏は、「お金を払って見てもらう、というにはいくつかの理由を積み重ねないといけないので、結局作品に誠実であることな気がします」と口にする。 また、同じ動画配信サービスの番組であっても「一挙配信か、毎週配信かでちょっと引きの作り方を変える」という。佐久間氏がプロデュースしたNetflixの『トークサバイバー!』は全話一挙配信。これに対してインシデンツは1、2ともに、まず第1話から第3話までが同日に配信され、その後は毎週金曜に最新話が追加されていった。 加えて、YouTubeで第1話が無料公開され、DMM TVで出演者が撮影の裏話を語る特典映像が見られるのもインシデンツの特徴だ。佐久間氏の言う“引きの作り方”には、そのあたりも含まれることだろう。 いずれにしろ、インシデンツ2はさらば青春の光の芸風ともフィットしており、久々に胸躍る痛快なコメディー作品だった。毎回コンセプトが違う中、高いクオリティーを保つのは骨が折れるだろうが、ぜひ次回作にも期待したいところだ。