[特集/絶対無敵!レヴァークーゼン 01]最強レヴァークーゼン無敗三冠への軌跡
ブンデスリーガにおけるバイエルンの連覇記録は「11」でついに途絶えた。絶対王者を倒したのは、そのバイ エルンで現役を引退したシャビ・アロンソが監督を務めるレヴァークーゼンだった。33節を終えて27勝6分。残りは1試合で、前人未踏の無敗優勝が現実味を帯びている。 [動画]3-0とバイエルンを圧倒したレヴァークーゼン 強調しなければならないのは、無敗なのはブンデスリーガだけではないということ。DFBポカール、ELでも黒星がなく、このままいくとレヴァークーゼンは無敗で3冠を達成することになる。 これまでは一度もリーグタイトルを獲ったことがないシルバーコレクターであり、2002年にはUEFAチャンピオンズリーグ、ブンデスリーガ、国内カップ戦をすべて準優勝で逃したことから「ネヴァークーゼン」などというありがたくないアダ名を頂戴したこともあるレヴァークーゼン。しかし、いま彼らをそんなふうに揶揄するものはどこにもいない。 今シーズンのレヴァークーゼンがどんな歩みで白星を重ねてきたのか、いち早く優勝を成し遂げたブンデスリーガでの戦いを振り返る。
開幕戦でライプツィヒを撃破 王者からも敵地で勝点1ゲット
ひょっとしたらという前兆は、昨シーズンからあった。序盤戦の不調を受けて9節からシャビ・アロンソが監督に就任すると、レヴァークーゼンは息を吹き返して6位でフィニッシュしてEL出場権まで手にした。選手のモチベーションを高め、チームを蘇生させたシャビ・アロンソの手腕は高く評価され、シーズンオフには早くも将来のレアル・マドリードの監督候補として名前があげられていた。 とはいえ、絶対王者が君臨していたブンデスリーガを制するには、ハイペースで勝点を積み上げていかないといけなかった。取りこぼしが少ないバイエルンと優勝を争うためには、引分けを勝利に、敗戦を引分けに持ち込む粘り強さ、勝負強さが必要だった。 レヴァークーゼンが開幕で対戦したのはライプツィヒで、最初から上位争いが予想される相手との対戦だった。バイエルンの連覇を止めるとすれば、ドルトムント、レヴァークーゼン、ライプツィヒだろうと言われており、いきなりの直接対決だったのである。そうしたなか、ジェレミー・フリンポン、ヨナタン・ターのゴールで幸先よく2点をリードし、1点を返されたが若き司令塔フロリアン・ヴィルツの得点で突き放してシーズン初っ端にライバルを3-2で下すことに成功した。 3連勝で迎えた4節のバイエルンとのアウェイ・ゲームは序盤のヤマ場だった。例年はエンジンのかかりが遅いバイエルンも3連勝しており、ここで負けると「ああ、今年もやっぱりか……」となる可能性があった。 試合は立ち上がり7分、ハリー・ケインにゴールを許して追いかける展開となった。しかし、24分にアレックス・グリマルドが直接FKを決めて1-1に。その後もアウェイであっても高い位置からボールを追いかけるサッカーを続け、若い2人、ヴィルツとビクター・ボニフェイスの連携で決定機を作り出していた。 一進一退のなか、86分に失点して1-2となる。最高に盛り上がるアリアンツ・アレナ。残り時間はわずか。それでもレヴァークーゼンは諦めずに攻撃を仕掛け、90分を過ぎてヨナス・ホフマンがPA内で倒されてVARによってPKを得た。これをエセキエル・パラシオスが確実に決め、土壇場で2-2として勝点1ともぎ取ったのである。敗戦を引分けに持ち込んだ一戦だった。 序盤のヤマ場を乗り越えたレヴァークーゼンは、5節ハイデンハイム(4-1)、6節マインツ(3-0)、7節ケルン(3-0)と危なげない戦いで勝利を重ねていき、バイエルン戦以降、8連勝でがっちりと首位をキープしていた。ただ、バイエルンも同様に勝点を積み上げており、同じく上位にいるドルトムントを含めて優勝争いは混とんとしていた。