巨人入りの甲斐拓也、背番号は阿部監督の現役時と同じ「10」! 「思いを受け継いでほしい、と熱い言葉をいただいた」
ソフトバンクから巨人にFA移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、東京都内のホテルで惹かれた入団会見に出席した。「ジャイアンツは勝ち続けなければいけないチーム。力のある投手陣としっかりコミュニケーションを取って、シーズンを戦うための準備をしたい」と、セ・リーグ連覇と日本一奪回の使者となることを誓った。 巨人のチームカラーであるオレンジ色のネクタイで臨んだ甲斐は、捕手の先輩でもある阿部慎之助監督(45)の現役時代と同じ背番号「10」を担う高揚感と責任を口にした。「阿部監督から『グラウンド上では捕手は監督。司令塔として(自分の)思いを受け継いでほしい』と熱い言葉をいただいた。ものすごくうれしいし、重くのしかかる言葉でもある」 子どものころから、テレビに映る阿部捕手にくぎ付けだった。「キャッチャー道具を着けて試合に出ている姿がかっこいい」。そんな憧れの存在から熱烈ラブコールを受けたら、心に火が付かないわけがない。「阿部監督を胴上げする」と同じユニホームで戦うことを決意した。 「野球選手である以上、何歳になっても常に学ぶことが大事」と、成長できる環境であることも移籍の決め手となった。「パ・リーグとセ・リーグの戦い方は違う。セの野球を実際にやって感じたい」。大城卓三捕手(31)、岸田行倫捕手(28)らとの競争を通じて、さらに腕を磨いていくことを期する。 会見に同席した阿部監督も、大切な背番号を託す甲斐に「日本を代表する捕手。(背番号10は)甲斐君しかいないと思っていた。投手への包容力があり、うちの選手にすごくいい影響を与えてくれる」と全幅の信頼を置いた。今季12球団トップの防御率2・49をマークした巨人投手陣に、球界を代表する名捕手がパの常勝球団で培ってきたノウハウを注入し、鉄壁の守りを築く。 ▼甲斐拓也(かい・たくや) 1992年11月5日、大分県出身。大分・楊志館高から2010年の育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。13年に支配下登録されると、「甲斐キャノン」と称される強肩を武器に17年には正捕手の座を勝ち取り、同年に育成出身選手として初のベストナインと、育成出身捕手として初のゴールデン・グラブ賞に輝いた。21年東京五輪と23年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では主力として日本代表を金メダルに導くなど国際経験も豊富。通算成績は1023試合出場で打率2割2分3厘、587安打、62本塁打、290打点、盗塁阻止率は3割5分8厘。ゴールデン・グラブ賞は7度、ベストナインは3度受賞している。右投げ右打ち。170センチ、87キロ。
中日スポーツ