原田知世「時間はあっという間に過ぎていく」 50代後半で気づいたのは“今日を楽しむ豊かさ”
芸能生活40年を迎え、芝居と音楽を両立する原田知世さん。今、人生の豊かさについて考えていることとは。AERA 2024年12月9日号の記事より。 【写真】熱唱する原田知世さんはこちら * * * 原田知世さんが50歳を過ぎて始めたことの一つに「ゴルフ」がある。ゴルフをしているあいだは、ほかのことは一切考えずに集中することができる。難しいからこそ飽きないし、経験を積み重ねることで、成長も感じられる。 変化や新しいことに柔軟であることは仕事でも同じ。デビューした頃は、デジタル配信という言葉すらなかった時代だが、そうした音楽業界の変化にも面白がりながら向き合っている。 「面白がるのが一番いいと思いますね。情報にのみ込まれて迷子にならないようにさえすれば、あとは楽しむほうがいいですよね。世の中の変化は止められないですから」 年を重ねることの良さは、どんなところにあると考えているのだろう。 「時間がなく、駆け足で人生を走っていた時期よりも、いまの方が仕事に対してじっくりと向き合えている気がします」と原田さんは言う。 「与えられた声や体と仲良くしていきたい、自分を好きになるって大事なことなんだな、とも思うようにもなりました。一つ一つを慈しむというと言い過ぎなのかもしれませんが、日々丁寧に、かみしめながら生きられるようになったのは、やはり心に余裕ができたからなのかもしれません」 時間は思う以上にあっという間に過ぎていく。50代後半になり、そう強く感じている。 「元気に動き回れる時間があとどれだけあるだろう、と考えると、長いようでそんなにないのかもしれない。とすると、先々のことを考えるよりも、今日を楽しまなければ、と考えるようになりました。楽しく料理をしたり、友達とおいしいものを食べたり。人生の豊かさって、目の前にある時間、日々の幸せを感じることなのではないかなって、いまは思っています」 (ライター・古谷ゆう子) ※AERA 2024年12月9日号より抜粋
古谷ゆう子