スティーブ・ジョブズが語った、意外なほど現実的な「成功する起業家の条件」
情熱やビジョンだけでは、持続的ビジネスにはならない
成功した起業家と、成功していない起業家の違いの「ほぼ半分」は忍耐力だと考えると、どうでしょうか。私は気が楽になります。 世間は、破壊的なイノベーションをもたらし、一夜にして成功を収めることに魅了されています。 「もっとも新しく、何よりも素晴らしく、大規模かつ大胆で、輝きに満ちて目立つところ」だけが注目され、忍耐力の価値は、簡単に陰に隠れてしまいがちです。 私たちは、世間の枠に当てはまらない人を偶像化してしまいます。困難を物ともせず、さらりとスゴイことをやっているように見える、非凡な人を崇拝してしまうものです。 でも多分、それは彼らにとって、見かけほど「さらりと」ではありません。見えないところでは、「不屈の精神」や「根性」「揺るぎない決意」といった別の物語があるはずです。 そして忍耐力は、起業において、魅力的とは言えないさまざまな場面を切り抜けるのに役立つのでしょう。たとえば、挫折したり、拒絶されたり、自己不信に陥ったり、しばしば失敗したり、といった場面です。 たしかに情熱やヴィジョンは、本当に素晴らしいものです。特に、そのレースが短距離ならば。 けれども、持続的なビジネスを築き上げることは、短距離走ではなく長距離を走るマラソン。不利な状況でも、気が乗らなくても、毎日続けること。そして、進み続ける強さを見つけることが大事なのです。 忍耐力とは、あなたが直面する避けられない課題や挫折を、成長と学びのチャンスとして受け入れる力ではないでしょうか。 もちろん、ビジネスを立ち上げることは、独創性が求められる、楽しくて興味深い仕事です。しかし、常にそうではありません。だからこそ、忍耐力が必要なのです。 忍耐力を養うことは、逆境にあっても臨機応変に対応する強靭さと意欲を持つ姿勢を養うことです。成功への道は、いつもまっすぐというわけではないこと。挫折とは、必ずしも障害ではなく「回り道」であること。そうした認識が大切なのです。
「偉大な資質」は、偉人たちだけのものではない
スティーブ・ジョブズに、あらためて感謝したいと思います。 彼は、モバイル機器を使ってどこでも仕事ができるようにしてくれただけではなく、「起業家としての偉大な資質は、彼のような偉人たちだけのものではない」と気づかせてくれたのですから。 偉大な起業家たちが持つ資質は、日々懸命に闘い、いつか成功するために努力している、私たちすべてが手に入れられるものなのです。 Originally published by Inc.[原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
浅野美抄子(ガリレオ)