自社クレカに囲い込め…楽天・ドコモ・KDDI・ソフトバンク、競争過熱で火花散らす
MNO3社 特典付与拡充で巻き返し
他方、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのMNO3社も、自社グループのクレカの利用促進策を本格化させている。 NTTドコモは自社の決済・金融サービスの利用に応じてポイントプログラム「dポイント」の還元率が高まる料金プラン「ドコモポイ活プラン」の第2弾「エクシモ・ポイ活」を1日に始めた。ドコモのクレカ「dカード」やスマホ決済「d払い」の利用でたまる通常ポイントに加え、1決済ごとに最大5%のdポイントを付与する。 マネックス証券の投信積み立てサービス「dカードのクレカ積立」を「dカードGOLD」で利用した場合は、通常付与分に1%を加算したdポイントを付与する。NTTドコモカンパニーコーポレート部の伊藤邦宏部長は「現金や他社カードで払っている部分をdカードに寄せていく」と意気込む。 KDDIは23年9月に始めた料金プラン「auマネ活プラン」の契約数が「(24年)7月に100万を突破した」(高橋誠社長)。携帯通信のデータ容量使い放題と金融サービスの利用で金利やポイント還元率を優遇する料金プランで、自社のクレカ「auカード」やスマホ決済「auペイ」、auじぶん銀行、auカブコム証券の利用で複数の特典を受けられる。 他の使い放題プランに比べて解約率が約2割改善。auじぶん銀行の預金残高増にも寄与した。高橋社長は「通信と金融のバンドリング(組み合わせ)による効果が出てきている」と指摘する。 ソフトバンクの宮川潤一社長は「経済圏の広さを競う局面に入った」と話す。同社は自社グループのスマホ決済「PayPay(ペイペイ)」のポイント付与率が増える料金プラン「ペイトク」を23年10月に始めた。「ポイント付与をシンプルにしており、まだまだ使い勝手が良い」と自信を示しつつ、「第2のペイトクのようなものを模索する」とテコ入れも示唆した。 これに対し、楽天グループは1日、楽天カードで他社携帯料金や保険料を支払った際の楽天ポイントの付与率を従来の半分に引き下げた。今後も自社経済圏にユーザーを囲い込む仁義なき戦いが続きそうだ。