【米国株ウォッチ】本日発表のコカ・コーラQ3決算、注目ポイントを解説
コカ・コーラ(ティッカーシンボル:KO)は米国時間10月23日に2024年度第3四半期決算を発表する。同社の収益は市場予想の116億ドルをわずかに上回る116億5000万ドル(約1兆7643億円)になると私たちは予測している。これは前年同期比で約2.5%の減少となる。また、調整後のEPS(一株あたりの純利益)は、市場予想であり前年の数字でもある0.74ドルをわずかに上回る、0.75ドル程度になりそうだ。 それでは、コカ・コーラの業績を牽引しそうなトレンドにはどのようなものがあり、同社の株価はどのように推移しているのだろうか? まず、発展途上国におけるインフレ進行による価格ミックスの改善が同社にとっての追い風となりうる。これは家庭用、家庭外両方の流通チャネルにおいて成長を促進するだろう。また、ジュース飲料、高付加価値の乳製品、植物性飲料など、一部の製品ラインの販売が好調であることから、販売量も回復すると予想される。しかし、決算発表における報告ベースでは、為替の逆風を受けて収益額は減少すると予想される。その一方で、ボトリング事業のリフランチャイズなどにより利益率は改善するだろう。その結果、収益は2.5%ほどの減少が見込まれるものの、調整後のEPSは1%程度増加すると予想している。 ■直近の決算動向とバリュエーション 前四半期である第2四半期の決算発表では、コカ・コーラの収益は前年同期比3%増の124億ドル(約1兆8819億円)だった。しかし、価格ミックスが9%改善したことや、原料シロップといった濃縮製品の販売が6%増えたことなどに牽引され、為替やその他の会計上の影響などを除いたオーガニック収益は15%増と堅調な伸びを示した。地域別にみると、欧州、中東・アフリカ、中南米ではオーガニック収益が20%以上増加している。営業利益率も前年同期比1.2ポイント改善し、32.8%となった。増収と利益率の改善により、第2四半期におけるEPSは7%増の0.84ドルとなった。 コカ・コーラ株は今年に入ってから21%上昇しており、S&P500種株価指数の上昇率である23%とほぼ同程度だ。しかしより長期間をとって見ると、コカ・コーラのリターンはS&P500よりかなり変動が少ない。 私たちは、コカ・コーラの目標株価を、米国時間10月23日現在の株価とほぼ同水準の69ドルと推定している。2024年通期の予想利益である2.86ドルに、過去5年間の平均である24倍のPER(株価収益率)を掛け合わせて算出した。
Trefis Team