人間性から能力重視へ これまで以上に大学生活の過ごし方が問われる時代に プロが指南 就活の極意
今年は、政府が企業内で職務を明確にして成果重視で処遇する「ジョブ型」人事の拡大策を決めたり、富士通が一律の初任給を廃止し、新卒採用でも仕事の内容や役割に応じて処遇する「ジョブ型」雇用を本格導入すると発表したりと、官民が一体となって「ジョブ型」にシフトしようとする動きが強くなっています。人間性重視から能力重視にシフトする新卒採用の転換点になるかもしれません。その為、大学生活を通して、目的や課題意識を持たずに過ごしてしまうと就職活動では評価されない学生がこれまで以上に増える可能性があります。学生生活の過ごし方を一度考えるとよいでしょう。 ■ジョブ型雇用とは 企業にとって必要なスキル、経験、資格などを持つ人材を、職務内容などを限定して採用する雇用方法です。経団連が発表した「採用と大学教育の未来に関する 産学協議会・報告書 『Society 5.0 に向けた大学教育と 採用に関する考え方』」では、ジョブ型雇用について「特定のポストに空きが生じた際にその職務(ジョブ)・役割を遂行できる能力や資格のある人材を社外から獲得、あるいは社内で公募する雇用形態のこと」としています。日本ではほとんどの企業が採用後に職務を割り当てる「メンバーシップ型雇用」を選択していましたが、専門性の高い職種が増えたこと、「配属ガチャ」という言葉に代表されるように、学生が求める働き方のミスマッチを予防するという点から、ジョブ型雇用の導入が進みつつあります。 ■企業側のメリット ①スキルや技術のある人材を確保できる ジョブ型雇用は、企業が必要とする特定のスキルや経験を持つ人材を募集するため、特定のプロジェクトや自社課題に最適な人材を確保できる可能性が高まります。採用した人材は、一定以上のスキルや経験を持っている即戦力としての採用となるので、雇用後の研修や教育などのコストは必要最低限で済み、業務効率が上がるなどの成果もすぐに現れる可能性が高くなります。 ②明確で適正な評価