台本&忖度なしの120分「知事からもPRして」「平等な政策を」「腹落ちしない」県民が知事に要望を“ぶつける”
「漁業にネガティブなイメージばかり…」
港町・八幡浜市で祖父の代から魚の養殖業という濵田海斗さん。 「漁業従事者の年齢も高齢者が多くなっています。興味があっても養殖業への新規参入が制度的に難しくなっている」と若い世代が事業を継げない現状を訴えます。 「養殖業者を取り巻くニュースはいつも、“赤潮”とか“後継者不足”とかネガティブな話題が多い。それ以外にもいいことはいっぱいあるし、プライドも持っている。知事にもPR、広報についてバックアップをお願いしたいです」 中村知事は、「愛媛は海面養殖魚1位の水産県。クエやマハタ、スマなど値のいい魚種の展開も進めている。上がった飼料価格についてはバックアップの予算化も考えています」としたほか、今後は漁獲制限が天然魚に影響が出る恐れもあり、「養殖の時代は来る」と説明。 そして、知事は「ずっと思っているんだけど」と前置きして、逆に次のように濵田さんに要望しました。 「農業も一緒ですが、一次産業の関係者の皆さんは経済的に厳しい時は声がでかい。『大変だ、大変だ』と。一方で利益が上がった時は急に無口になる。ぜひ、儲かってるときは『儲かっているよ』と言ってほしいんです。『儲かっている』という声で、『じゃあやってみよう』と思う子どもや若い人たちが出てくるかもしれない。濵田さんたちが次の世代を育ててほしいんです」
「上を向いてくか、下を向いていくか」
「松山とそれ以外の市町で、教育の選択肢に差が出ないようにしてほしいです」 「ほかの業種には支援があるが私たちには…。どの産業にも平等な政策をお願いします」 この日は、10人の参加者から複数の要望や質問が飛び交いました。一問一答形式で知事も返答。予定時間の120分となっても、まだまだ全員が話したりないと言わんばかりの盛況ぶりでした。 「特に南予は人口減少、福祉、教育さまざまな課題が目白押し。街を元気にすることをやっていかないと衰退するのは間違いない。経済が活性化しないと、税収が生まれてこない。税収がなければ、政策を充実できない。県も頭の痛い課題ばかりですが、現実は変わりません。下を向いて落ち込みながら日々を過ごすのか、上を向いて楽天的に過ごすのか。そのどちらかしかないんです」(中村知事) 台本無しで2011年の知事就任以来続けてきた「愛顔でトーク」 次回は6月25日(火)に今治市で開催され、先着順で県民だれでも傍聴することができます。