台本&忖度なしの120分「知事からもPRして」「平等な政策を」「腹落ちしない」県民が知事に要望を“ぶつける”
「このイベントに台本はありません。知事は資料も持たずに“身一つ”で120分間、県民と対話します」(県関係者) 愛媛県の中村時広知事が力を入れているイベント、“知事とみんなの愛顔(えがお)でトーク”。 毎年3回、東・中・南予で開催されていて、各地域で活動している若者らが知事に対して直接要望や意見など思いの丈を“ぶつける”イベントです。 「あの道が壊れかけているから直してほしい」といったような、県と市のどちらが対応すべきか不明な地域のローカルな要望から、「なぜあの政策をやっているのか」といった県政方針に関わる要望まで。知事はすべての質問や要望に向き合います。 6月12日、今年度最初の“愛顔でトーク”が大洲市で開かれました。
「なぜオーストラリアに力を入れるのですか」
「観光立国を掲げているため、国も県も支援に力を入れてくれていると認識しています」 観光地として脚光を浴び始めた大洲市。バリューマネジメント(株)から出向し、大洲で古民家などの街並みを活用した賑わいづくりに励んでいる横山真美子さんです。 横山さんは「海外からの誘客が大事ですが、特に台湾とは県・市が一体となってムーブメントを作ってくれていると思います」とする一方、ある疑問を知事に投げかけます。 「次の一手として県はオーストラリアからのインバウンドに力を入れているようです。ただ、なぜオーストラリアなのか、腹落ちしていない部分があります。台湾とは異なりオーストラリアと直行便ができるとも思えないですし…。なぜオーストラリアと?」 これに対して中村知事は「オーストラリアとの直行便はたしかに考えていません」としつつ。 「北海道のニセコに先鞭をつけたのはオーストラリアの人。富裕層も多く、“客単価”が高い。そして、調べたところオーストラリアの方は冬はスキー、それ以外のシーズンはサイクリングが人気とのこと。今回の施策はしまなみ海道への仕掛けという面が大きいです」 また、自転車愛好家でもある中村知事によると、「しまなみ海道から南予へサイクリングで行ってみようという仕掛けを考えている。サイクリストからすると、南予の自然と資源は魅力的。外国人にも自然を使ったアウトドアが人気ということで期待できる」と答えていました。