「成功するまでやり抜く力」を身につける方法
マインドセットはあまり関係がない
研究には意外な点もありました。イノベーションと起業家精神の聖なる基礎とも言える成長マインドセットは、この研究においてフロー状態とは相関がなかったのです。 積極的な態度をとるのは良いことですが、少しずつ向上して限界を押し上げていくことに関しては、バスルームの鏡にアファメーションの言葉を貼り付けるよりも、自己鍛錬を養うほうが役立つようです。 ポジティブ心理学を批判しているのではありません。#AskGaryVeeを聞いて、やり抜く力が養われるならそれでもいいのですが、実際に一生懸命努力しなければ無意味です。 既成概念にとらわれずに考えるにも、新しいキャリアスキルを開発するにも、現時点で意図的に実践することでニューラルネットワークが鍛えられ、それが将来活用できるようになるのです。 神経可塑性(成長と再編成を通じて変化する脳内の神経ネットワークの能力)のおかげで、新しいことを学んで、習得するのに遅すぎるということはありません。
やり抜く力の育て方
まとめましょう。やり抜く力は習熟度をあげるのに役立ち、習熟度はフロー状態に入りやすくなり、フロー状態ですばらしいことが起こります。 では、どのようにして積極的かつ意図的な方法でやり抜く力を育てればいいのでしょうか。そのプロセスを始めるためのアイデアをいくつか挙げてみましょう。 トリガーを開発(して保護も)する 仕事に集中したり深く考えたいときには、トリガーになる言葉や活動が心を落ち着けるのに役立ちます。 私のトリガーは、ダークハウスミュージックのこのSpotifyプレイリストと750wordsでのフリーライティングです。トリガーが何であれ、それを保護して、ゾーンに入る準備ができたときにだけ活用するようにしましょう。 目標を確認する ダックワースさんが指摘しているように、最終目標をしっかり目指している時にはつらい時期を乗り超えられる可能性が高くなります。 「なぜ、また私はこれをやっているのだろうか」と自問します。自分自身の最終目標、そして他人の最終目標の両方を明確に思い浮かべると、全員を関与させることが簡単になります。 さっと失敗、さくさく立ち直る Instacartの創設者のApoorva Mehtaさんは、この記事の執筆時点で390億ドルの価値があるそのアプリが彼の20回目のスタートアップの試みだったと言っています。 また、初期のFacebookには、「速く動いて、物事を壊す」という当社のモットーが廊下に貼ってありました。 やり抜く力とは、目標をしっかり捉えて大切にしているため困難に直面してもすぐ立ち直れる能力であり、頻繁に失敗していると立ち直るのも簡単になります。 私たちは朝起きたときには、その日を意欲的に過ごそう、イノベーションと成功を達成しようという気持ちにあふれています。時間が経つにつれてそのエネルギーは下がっていきますが、そこにやり抜く力に注ぎ込み、粘り強く頑張りましょう。 インスピレーションを受けて、目標達成まで長く続く過程を楽しめる方法を見つけられたら、その距離を進むために必要なものを身につけることができるはずです。 ──2021年7月30日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 訳:ぬえよしこ Source: Sage Journals, TED, Angela Duckworth, AskGaryVee, Spotify, 750words, Los Angeles Times, CNBC Originally published by Fast Company [原文] Copyright © [2021] Mansueto Ventures LLC.
ライフハッカー・ジャパン編集部