南沙良、リメイク版『わかっていても』で新境地を切り開く? “大人な女性”の演技に期待
南沙良、『わかっていても』の演技に期待
しかし、そう、彼女はまだ若い。『女子高生に殺されたい』(2022年)でも『この子は邪悪』(2022年)でも、高校生を演じている。本人の実年齢的にまだまだティーンエイジャーを演じられるのだから、どんどん演じるべきだろう。けれども今回の『わかっていても the shapes of love』で演じる美羽は、大学に勤める27歳の女性。大人の女性なのである。 いったい何をもってして“大人”とするかは人それぞれだろうが、27歳ともなると、誰もがそれなりに人生経験を重ねている。美羽もそうだ。あらすじから分かるとおり、彼女は挫折し、傷ついた経験のある人物だ。これまでに南が多くの出演作で放ってきた瑞々しさは、本作では不要だろう。あるいは違う効果をもたらすか。ともかく役どころ的に、これまでとは異なるアプローチが求められるのだろうと推測できる。そしてこれが達成されたとき、本作は完全なる“大人の恋愛ドラマ”になるのだろう。彼女が背負うものは大きいが、ここに若き演技者である南沙良の新境地が見られることは間違いない。
折田侑駿