人はなぜ走る? 長野マラソン参加者に聞いた理由
THE PAGE
人はなぜ走る? 16日長野市で開いた第19回長野マラソン大会(日本オリンピック委員会など主催)には過去最多の9600余人が参加。沿道の応援が大会を盛り上げました。参加者の出場動機は「達成感」、「友達づくり」などさまざま。「なぜかな」と考え込む人も。走ることへの人の強い関心はどこから来ているのか、人の不思議の一つともされています。当日の参加者にマラソンの持つ意味などを聞いてみました。 【動画】善光寺の表参道がランナーでぎっしり 長野マラソン(2016年)
●気分転換
この日21キロ地点まで走った東京のコンピューター関連会社の社長(79)=長野市出身=は「昨年も長野マラソンに出場したが、あと1キロでゴールという所で駄目でした。今回も残念」としながらもさわやかな表情。「なぜ走るかって? 気分転換だね。出場を決めると『社長、大丈夫ですか?』って社内でいつも言われるけれどね」と笑いました。 60代からマラソンを始め、最近は毎年4回ほど各地の大会に出場。企業トップのさまざまな思いを心に秘めながらマラソンを唯一の友として付き合う喜びを「気分転換」と表現しているようでした。
●達成感
25キロ地点で時間切れになった長野市の会社員男性(38)は、「走る理由は、達成感ですね」。1日10キロ走り込む練習で準備。過去5回、3時間台で完走の経験があるものの「今回は練習不足が自分で分かっていた」。 練習不足はごまかせないと言い、「マラソンは、準備の状況がそのまま結果に反映する」。練習段階から良くない結果が見えてくるが、それでもチャレンジし、そして挫折。「成績は練習の走り込みの距離に見事に比例するんですよ」とむしろ納得の表情を見せました。
●友達の輪
21キロ地点付近まで走った岐阜市の会社員女性(55)は、「以前自転車で転んで骨折した左足の小指をややかばいながらだったので、コンディションが良くなかった」。長野マラソンには10回出場の常連。 「毎年各地のフルマラソン大会に10回、ハーフマラソンを含めると20回は出ている」という女性が一番うれしいのは各地に友達が増えていくこと。あちこちの大会に行くたびに再会を喜び合い、交流を深めています。今回も長野大会の前日の15日に17人ものマラソンの友と前夜祭を楽しみ、「ビールを少し飲んでしまった」。友達づくりがマラソンの大切な目的になっていました。