「3軍にはノリがおるけん」ソフトバンクに中村紀洋氏そっくりフォームの育成外野手 大学時代は通算1安打「ホームランしか狙っていないんで」
◆交流戦・ソフトバンク4軍15―3火の国サラマンダーズ(20日、タマスタ筑後) ソフトバンクの育成2年目、重松凱人外野手(23)が3打数2安打4打点と活躍した。 ■古巣対戦で上林が魅せた【動画】 4軍戦で「7番中堅」でフル出場。初回、2死一、三塁から左翼へ適時二塁打。2回には2死満塁の好機で走者一掃となる右中間三塁打を放った。5回には死球で出塁し盗塁も決めた。6回には四球を選んだ。8回の打席では空振り三振したが「全打席、ホームランしか狙っていないんで」と言ってのけた。 身長187センチ、体重96キロ。中学3年時に110メートルハードルで全国大会に出場した俊足の持ち主で、高校通算28本塁打。強豪・亜大では4年間で公式戦通算1安打と実績は残せなかったが能力の高さを買われた。ルーキーイヤーの昨季は、ファーム非公式戦に85試合出場し、打率2割8分5厘、3本塁打だった。 今季はこれまで、非公式戦に13試合出場し打率3割5分7厘、3本塁打と好調。その理由の一つは、大阪近鉄などで活躍したフルスイングが代名詞の中村紀洋氏のフォームを参考にしたことだ。 コーチの提案もあり、以前からユーチューブなどの動画を見ていたプロ野球通算404本塁打を放った大砲、中村氏を手本にした。「フルスイングから長打が出る。バットの使い方をそう(中村氏のように)動かしたら、悪い癖が出ないんじゃないかなと思った」。コーチたちには、現役時代の中村氏がどういうふうに球を見ていたのか、待っていたのかなど具体的に聞きながら体で覚えさせた。 フォームが似ているため、大道典良3軍打撃コーチからは「3軍にはノリがおるけん」と呼ばれている。今季の目標は2軍のタイトルを全て獲得することだ。「ホームラン、首位打者、打点、盗塁。全て取りたい。いずれはソフトバンクのノリと言われるように―」。重松はそう意気込んだ。 (浜口妙華)
西日本新聞社