ドイツの「女性活躍」を具体的に感じたのは、こんなところでした『ダーリンは外国人』著者に聞く
「ダーリンは外国人」の著者小栗左多里さんと、夫のトニー・ラズロさん、そして息子のトニーニョ君。一家は、2012年から2019年まで6年半をドイツのベルリンで暮らしていました。 【画像ギャラリー】『ダーリンは外国人』夫婦がオーストラリアで出会ったとんでもないアクティビティとは ドイツでの暮らしで印象的だったことや、子供の教育について さおりさん&トニーさんに聞きました。
ドイツでは女性が活躍している
トニー:ドイツの女性は強いです。日本と同じくドイツでも保育園が足りず、空きを見つけるのが大変です。しかし育児休暇などが日本よりしっかりしていて、女性も男性もとれています。家事育児をシェアできて、女性が働くことのできるメカニズムになっていますので、女性もどんどん出世しています。役所にいくと、責任のある立場に女性がいますね。 さおり:トニーが息子の学校に行って、保護者の方と友達になって帰ってくるのですよ。 「今日は映画監督と会ったよ」「今日は物理の研究者」「今日は精神科医と…」 ぱっと聞いただけだとなんとなくイメージから男性かなと思ってしまったのですが、みんな女性だったんですね。日本では女性の理科の先生って聞いたこともなかったし、3人とも国籍はさまざまですが、海外では違うのだなと感じました。 トニー:ドイツでは家賃にまつわる問題がよく起こるのですが、そのときに僕たちを助けてくれた弁護士さんもトライリンガル(3ヶ国語話者)の女性でした。
移民が多いドイツ。多様性に対する考え方は
さおり:ドイツにはたくさんの移民が暮らしています。そこで衝突があり、問題もありますが、うまくいっている人たちもいるのです。しかし、どうやって共に生きていくかは、より良い道を探している途中かなというような気がします。 トニー:ベルリンは多様性で有名ですが、エリート中のエリートと言われるような人たちはやはりヨーロッパ系男性が目立ちます。あるところまでは登れるけれど、天井があるかもしれませんね。 多様性に関して、社会の中で色々な試みがなされています。たとえば駅のホームにこのようなポスターが張ってありました。 白人でない人の顔写真とともに「私もドイツ人」という文言が書いてあるのです。