女性が32%の町も 突出して女性が少ない原発事故被災地 男性主体の復興に未来は #知り続ける
「立場問わず地域づくりを」
大熊、浪江、富岡、双葉の4町には、移住したり帰還したりしてきた女性たちでつくるグループがここ数年の間に発足し、プライベートで交流している。 今年2月には4町の女性8人が対談するイベントも開かれた。美容室やランチなどの話題を和やかに語りつつ、男女比の偏りゆえにドラッグストアの化粧品売り場が狭いことへの言及や、「女性が少ない地域で『一人じゃない』と思える活動をしていきたい」といった発言もあった。 大熊町に移住した谷田川佐和さん(27)はイベントで進行役を務め、「職場や地域で困りごとがあるとか、居住を考えている女性がいたらつないでほしい。戻ってよかった、移り住んでよかったと思えるような、温かい雰囲気をつくっていきたい」と呼びかけた。 女性が生きづらい地域に未来はない。まして原発事故被災地には帰還、避難、移住という立場の違いによるすれ違いなど、ジェンダー以外の分断も見え隠れする。 富岡町の40年ぶり2人目の女性町議、高野匠美さん(63)は言う。「昔から『男が上』の地域だった。復興予算で新しい建物を造っても価値観が古いままでは多くの人は集まらない。原発事故で一度壊れてしまったからこそ、男女や立場問わず皆で地域をつくっていかないと」 【毎日新聞・尾崎修二、肥沼直寛】
※この記事は毎日新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。