仕事ができない人は「ただ会議に参加する」。仕事ができる人はどうする?
「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか? ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。 ● 先に目次だけ読んで仮説を立てる 会議ではとても大事な役割があります。それは「ファシリテーター」です。 ファシリテーターは最近ではなじみのある言葉になってきました。 意味を検索すると「会議や商談などで中立的な立場に立ったうえで会議中に発せられた意見をまとめ、よりよい結論に導く役割を担う人」と定義されています。 そもそも「会議」とは「行動を決めるためにやるもの」です。 実はこの本質を理解していない方が、世の中には多くいるように見受けられます。 たとえば、「営業部の売上実績進捗の報告会議」でも、数字の共有が目的ではありません。 現状の実績を踏まえ、次の行動(=ネクストアクション)を決めるためにやるものです。 上司部下が1on1で行う悩み相談も、部下の悩みを解消し、仕事がより進む行動(=ネクストアクション)を導くものです。 すべての会議はネクストアクションのためにやるものです。 つまり、ネクストアクションが導かれない会議は、会議と呼べません。 このマインドセットをもたない人たちが会議に出ると、まさにカオスで無駄な会議になります。 そこで大切な役割がファシリテーターです。ファシリテーター次第で会議の質が変わると言っても過言ではありません。 前職のコンサルティング会社時代でも、会議をファシリテーションする役割は上位の職種でないと、やらせてもらえませんでした。 それもそのはずです。クライアントとコンサルタントとの接点は主に会議の場です。その会議のレベルによって、コンサルティングの品質そのものを問われてしまいます。 また、参加者によって会議への「期待」もそれぞれ変わります。 「呼ばれたから参加しただけの人」もいれば、「今日の会議で何か新しい施策が見つかると思っている人」など参加する個人の思いはバラバラです。 ファシリテーターは、これらの参加者全員を導いていく必要があるからです。 私が尊敬する上司のファシリテート力はとても高いものでした。 相手に迎合せず、常にフラットな立場で会議を進め、論点を整理しながら会議の目的を達成していたのです。 ファシリテーションのすごさに憧れた私は「こうなりたい!」と心から思うようになりました。 私は一番下の職位でありながら、当時のプロジェクトリーダーに「クライアント先の会議で、ファシリテーターの役をやらせてほしい」と毎週のように懇願したのです。 その結果、幸運なことに実際にファシリテーターをやらせてもらえました。しかし、結果はさんざんなものでした。 ファシリテーターを務めた最初の2ヵ月は、恥ずかしいことに会議開始から5分で、その場でファシリテーターを交代させられたのです。 会議始めの5分は、会議全体の議論づくりに大きな影響を与えます。 私が初めてのファシリテーションをしたとき、クライアントの役員が「西原さん、なぜ今日はこの議論をするんですか?」と質問したのです。 しかし、私はまったく答えられませんでした。 会議のゴール設定はしていたものの、この会議をする背景を深く理解しておらず、相手に伝えることができなかったのです。 そのため、即座に上司がファシリテーションを交代してくれました。 それ以降、毎回私がファシリテーションをするたびに「西原さん、なぜ今日はこの議論をするんですか?」という問いを投げられ、私が適切に答えられず、上司に交代するという流れが繰り返されました。いま思い返しても、苦い体験です。 しかし、プロジェクト終了後の懇親会で、クライアントの役員から「若手なのにチャレンジする姿勢がすごく好きで、思わず育てたくなっちゃったよ」と言われました。 私は、クライアントや上司から徹底的に鍛えられた結果、ファシリテーターの本質的な役割を理解し実践することができるようになったのです。最終的には、会議の最初から最後までファシリテーションを任せてもらえるようになりました。 ぜひあなたも、ファシリテーターに積極的に挑戦してみてください。 どんな小さな会議でも構いません。ありとあらゆる会議がファシリテーション力を鍛えるチャンスなので、ぜひ進んでチャレンジしてみましょう。 (本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)
西原 亮