会議を「全員やる気を失う時間」にしてしまう、3つのありがちな社内ルール
組織運営には必ずルールが存在する。しかし、そのルールが適切でないと組織の空気は緩くなり、社員のやる気も失われていく。 【画像】生産的で活発な議論をしている人たちの楽しげなイメージ 会議でもそうだ。ルールが曖昧だと非常に生産性が悪くなる。多くの上司は「ルールは守るもの」と考えがちだが、会議をより効果的にするための「仕組み」として機能させなければならない。 今回は会議を悪くするルール、そして良くするルールについて詳しく解説する。特に経営者やマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
イライラする会議ルール、3つの特徴
まず、会議の生産性を悪くするルールには、次の3つの特徴がある。 1. 数が多すぎて覚えられない 2. 形骸化している 3. 罰則の実効性がない 最も問題なのは「数が多すぎる」ことだ。メンバーが覚えきれないほどのルールがあると、どれが重要でどれが重要でないのか分からなくなる。特に上層部が新しいルールを次々と追加していくと、現場は混乱する。 会議の事前準備、始まりの時間、終わりの時間をルールとして決めるぐらいならいいが、 ・「議題は当日10時で締め切り」 ・「会議資料はA4サイズで縦型、会議5分前に配り終えておく」 ・「資料作成者による読み合せ時間は5分以内」 ・「発言する時間は2分以内」 ・「質問は30秒以内」 ・「意見を求めるときは2人まで」 ・「議事録は当日の17時までに完成させ、課長と部長に承認を得る」 ……といった細かいルール、決め事があると、とても窮屈な感じがする。会議中に問題を解決するための対策を考えたくても、ルールを守ることばかりに焦点を合わせることになって、大事なことがおろそかになるのだ。 次に「ルールの形骸化」だ。
ルールが形骸化すると、真面目な人がばかを見る
ルールは守られなければならないものだ。しかし守られていないのに野放しにされると、他のルールも守る必要がないと思われてしまう。 「5分前集合」というルールがあるにもかかわらず、守らない人がいたり、遅刻する人もいたりすると、そのルールを守っている人がばかを見ることになる。 特に守られにくいのが、準備する資料やシステムの入力の徹底度だ。分かりづらい資料を作ったり、入力すべき項目に入力されていなかったりすると、その確認だけで会議の時間が長引く。 「この資料は結局、何が言いたいの?」 「システムに入力してないんだけど、会議が終わったらすぐにやって」 このようなことをイチイチ会議で確認、指示していると、マジメにやっている人が報われない。 最後に「罰則の実効性」だ。ルール違反に対して何のペナルティーもないと、ルールは単なる「お願い事」になってしまう。 交通ルールと交通マナーの違いを考えてみよう。ルールには違反に対する制裁が設けられているが、マナーにはそれがない。組織においても、ルールとマナーを明確に区別しなければならない。