会議を「全員やる気を失う時間」にしてしまう、3つのありがちな社内ルール
会議の生産性を上げる3つのルール
反対に、生産性の高い会議にするルールには次の3つのポイントがある。一つ一つ解説していこう。 1. ルールを3つ以内に抑える 2. チェック機能をシンプルにする 3. 例外なく罰則を適用する 多くのルールは覚えにくい。だから絶対に守るべきルールは3つ以内に抑える。そうすれば社員全員が意識しやすくなり、守られやすい。例えば「資料の準備」「時間厳守」「発言義務」などだ。 ・「ルールに則った資料を事前準備して前日までにAさんへ送ること」 ・「会議は5分前集合」 ・「会議中、必ず一回は発言すること」 これぐらいがちょうどよい。 チェック機能も複雑にしてはいけない。もし情報システムで管理しているのであれば、入力すべき内容はシステムで制御できる。誰が見ても「守れているか、守れていないか」が分かるものにすべきだ。 例えば営業管理シートで「顧客視点の理由」を書かせるのではなく、「Yes/No」で答えられる項目にするなど、パッと見て分かる資料を作ることも大事だ。 「罰則の適用」も重要だ。たとえ社長であっても、役員であっても、ルール違反は許されないという姿勢を見せることで、組織全体の規律が高まっていく。罰則に一貫性がないと、ルールの尊重は失われてしまう。 明確なペナルティーはなくてもいいが、 「会議資料は事前に目を通すことがルールになっているだろう。今度、ルールを守らなかったら会議に出てこなくていい」 これぐらいの厳しいフィードバックを、会議の主催者はすべきだろう。
実効性のあるルール設定、4つのコツ
最後に、そもそも組織におけるルールとはどういうものか? おそらくルール設定のキホンを教えられたマネジャーは少ないだろうから、ここで4つのコツを紹介していきたい。 組織運営のためのルールだが、会議で進捗をチェックするときに使える。 1. 成果のルール 2. 期限のルール 3. 役割分担のルール 4. 状態のルール 最初の「成果のルール」は、KPIなど具体的な数字で評価できるものだ。このルールは2種類に分けられる。 ・超えたらOK(超えなければルール違反) ・超えなければOK(超えたらルール違反) 超えたらOKのルールは、例えば「営業の訪問件数」だ。1カ月30件以上の訪問をすることがルールであれば、30件を超えたらOKだ。反対に29件以下ならルール違反である。 超えなければOKのルールは、例えば「時間外労働」である。1カ月20時間以内の時間外労働がルールなら、20時間以内ならOK。しかし20時間を超えたらルール違反である。 2つ目は「期限のルール」だ。これは分かりやすい。 資料提出や業務の完了には必ず期限を設け、それを守ることをルール化する。期限のルールは簡単にチェックでき守りやすい一方で、提出物の質も保証されなければならない。期限は守ったけれど、質の低い成果物ではルール違反だ。 従ってなかなか成果物の質が上がらない人は、期限前にフィードバックを受けることもルール化する。そうすることで修正する時間的余裕を持たせられるからだ。