「今行ける能登」心刻み 復興応援ツアー開始 首都圏の33人、珠洲と穴水へ
●自然や食味わう 能登半島地震の被災地を巡る石川県などの「復興応援モニターツアー」が4日始まり、首都圏から参加した33人が珠洲市と穴水町をバスで巡った。金沢市内に宿泊する1泊2日のコースで、参加者は「今行ける能登」の豊かな自然や食を満喫しながら被災地に心を寄せ、早期の復旧復興を願った。 ツアーは東京・羽田空港発着で、参加者は能登空港に降り立った後、倒壊した建物が残る珠洲市内を回った。 昼食は、完成したばかりの仮設商店街にある「すずなり食堂」で、能登の海産物や、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町のサーモンを使った「福幸丼」を堪能。食堂の坂本信子代表が「能登は自然がきれいで美しく、食べ物も山あり、海ありでおいしい」と歓迎した。 千葉市から夫婦で参加した国吉総子さん(79)は「壊れた建物を見て、身につまされた。食事したり買ったりすることで応援になればと思って来た」と語った。一行は穴水町の能登ワインも訪れた。5日は、千里浜なぎさドライブウェイや羽咋市の日蓮宗本山妙成寺、志賀町の景勝地「巌門」などを回る。 モニターツアーとして11月末まで実施し、観光復興の足掛かりとする。旅行代金は1人3万9900円で、一部は被災地に寄付する。県によると、目標800人に対して900人超の申し込みがあり、最大26回の実施予定を30回に増やした。関連費用を補正予算案に計上した。