女性の体力低下、改善の鍵は運動習慣 時間がなくても…できることは?
姿勢や歩き方、日常動作からチェック
忙しくて運動の機会がなく、体力不足を実感している人は、何から始めるべきか。地域の病院のダイエット外来で運動指導も手がけるスポーツクラブセイシン(静岡市葵区)の健康運動指導士山内敬太さん(38)に心構えと実践例を聞いた。 特別に運動する時間が取れなくても、日常生活でできることはある。むしろ、週1回の短時間の運動より、日頃の取り組みが重要ともいえる。普段意識していない姿勢や歩き方、生活動作を見直すことで身体活動の量は増やせる。 特に女性は出産前後の年齢から、子どもを抱いたり、前かがみで家事をしたりといった生活動作につられて姿勢が悪くなる。典型的なのは肩がすぼまって腕が前に出る立ち姿勢で、背中の筋肉を使わなくなる。逆に、腰を反らせて立つ反り腰の姿勢も多く、体幹の衰えを招く。膝を曲げてペタペタ歩きがちになり、太ももの筋肉が弱くなる。 これは日常生活で本来使うべき筋肉が使えていない状態で、当然エネルギー消費も落ちてしまう。立つ時は顎を引いて膝を伸ばし、耳から足のくるぶしまで一直線に。歩く時も一歩ごとに膝を伸ばし、かかとから着地して体重を乗せ、爪先で地面を踏み込む。まずは日常生活で全身をしっかり動かし、さらに汗をかくような運動の機会をつくるのが理想的だ。
姿勢を改善し、身体活動の量を増やすために有効な背中のエクササイズ3種
【その1】背筋を真っすぐ伸ばして立ち、両手を体の脇に下ろし、手のひらを前方に向ける=写真①=。肘を伸ばしたまま、胸を開くように腕を後ろに引き=同②=、数秒止めて元に戻す。同じ動きを繰り返す。
【その2】1と同様に真っすぐ立ち、手のひらを前方に向け、体の真横で腕を斜め45度の高さに上げる=写真③=。胸を張った状態で肩甲骨を閉じるように腕を引き下げる=同④=。数秒止めて元に戻す。同じ動きを繰り返す。
【その3】1、2と同様に真っすぐ立ち、腕を脇に付けた状態から前に向かって肘を90度曲げ、手のひらを上に向ける=写真⑤=。肩甲骨を寄せるように両手を体の外側に向かって開く=同⑥=。数秒止めて元に戻す。同じ動きを繰り返す。 【山内さんから一言】1日何回何セットなどと決めず、思いついたらやる。歩く時に背を伸ばし、意識して腕を後ろに大きく振るのも効果的。