J1全20クラブ補強評価ランキング11位~20位。補強に苦戦? 不安要素が残るクラブは…
明治安田Jリーグは2月23日に開幕を迎える。これまでより2チーム多い20チームで争われる今季は、例年よりも熾烈な戦いが繰り広げられるだろう。そんなシーズンを前に、J1全20クラブの補強を精査し、昨季との比較からパワーアップしたクラブをランキング形式で紹介する。※情報は1月29日時点
20位:サガン鳥栖 昨季はシーズン後半に調子を落とし、前年を下回る14位という成績に終わった。シーズンオフの入れ替わりの激しさは例年通りと言ったところで、14人の新加入選手を迎えて2024シーズンに臨む。 攻撃陣は顔ぶれが大きく変わることになりそうだ。昨季9得点の小野裕二がアルビレックス新潟に、31試合に出場した岩崎悠人がアビスパ福岡にそれぞれ移籍した。横浜FCから加入したマルセロ・ヒアンは21歳と若く、来日3年目の今季は大きく成績を伸ばす可能性があるだろう。ヴィニシウス・アラウージョはモンテディオ山形時代に2シーズン続けて14得点を記録したが、ここ2シーズンは不本意なシーズンとなった。Jリーグ5年目となる今季は勝負のシーズンとなるだろう。 東京ヴェルディをJ1昇格に導いた中原輝は右サイドからチャンスを作るアタッカーで、岩崎とは異なる特徴で鳥栖の攻撃力をアップしてくれるだろう。また、最終ラインと中盤に大きな変化はないが、木村誠二やキム・テヒョンといった将来性のあるセンターバックは鳥栖に何かをもたらしてくれそうだ。 鍵を握りそうなのがベテランの丸橋祐介の加入だ。昨季は菊地泰智が本職ではない左サイドバックを務めることが多かったが、スペシャリストの加入により菊地の起用の幅も広がる。補強だけの評価としては低くなってしまうが、川井健太監督の起用次第では現有戦力の底上げも期待できそうだ。
19位:北海道コンサドーレ札幌 上位を目指しながらも中位に留まり続ける北海道コンサドーレ札幌は、今季もミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下でJ1に挑む。ミシャ政権はクラブとしても、来日18年目の指揮官自身にとっても最長の7季目に突入。一方で、2024シーズンを戦う陣容は大きく様変わりすることになる。 主力を複数年に渡って担ってきた選手が抜けた。在籍5年のルーカス・フェルナンデスと、在籍4年の田中駿汰はともにセレッソ大阪に、J2時代も知る福森晃斗も9年間に及ぶ札幌でのキャリアを終えた。3年間でJリーグ15得点を記録した小柏剛もFC東京へ移籍。ルーカス、田中、小柏は心強い味方から同じカテゴリーで戦うライバルになった。 もちろん、出ていく選手もいれば新たに加わる選手もいる。鈴木武蔵は札幌に在籍した2019シーズンに13得点を挙げた経歴を持ち、ミシャサッカーをすでに知っているというアドバンテージがある。長谷川竜也も経験豊富で、ミシャスタイルとの親和性が高そうだ。近藤友喜も金子拓郎やルーカスといった打開力のあるサイドプレーヤーが抜けた今の札幌には必要な人材だろう。いわきFCから加入した家泉怜依はJ1での実績こそないが、伸び盛りの24歳。J3から這い上がった岡村大八と似たキャリアで、ミシャの下で進化すれば面白い存在になるだろう。 主力が多く抜けたことで、相対的な補強評価としてはあまり高くない。ただ、このクラブではこれまで多くの若手が飛躍のきっかけを掴んできただけに、昨季の成績を上回るチャンスもある。