韓国ドラマの「第ニの台詞」って? 音楽と韓国ドラマ俳優の関係性【古家正亨のBEATS of KOREA】
여러분! 안녕하세요? 皆さん! こんにちは。 古家正亨です。 はじまりました『BEATS of KOREA』。僕、古家正亨が、四半世紀に渡って関わってきた、お隣の国「韓国」のエンタテインメントの鼓動……「ビート(Beat)」、その魅力を紹介していきますよ。 【画像】韓国エンタメの起源は2003年!? ■OSTについて 僕がMCの1人を務めていた、音楽番組『MUSIC LIST ‐OSTって何?‐』(BSフジ)。韓国ドラマの魅力の1つである、「OST(オリジナル・サウンドトラック)」に専門的にスポットをあてた番組がこれまでなかったということで、当初は特番として始まったものの、好評につきレギュラー化されたんですね。 日本でも人気の俳優さんやOSTを実際に歌っている歌手の方にもご出演いただいて、OSTに関するお話をたくさん伺いました。印象的な話を1つ2つ挙げると、俳優の皆さんは、台本には「ここでOSTが流れます」というト書きが書かれていないので、放送を見て、初めて「ここで音楽が流れるんだ」と知ることがほとんどなんだそうです。 それでありながら、それらの場面で流れる曲の歌詞が、まるで画面に出ているキャラクターの心情を吐露する台詞のような感じなので、OSTは「第二の台詞」という言葉があるほど、韓国ドラマにおいて欠かせない存在になっているというお話。 それから、俳優さんで実際に歌っている方々は、自分の声で自分の心情を歌で伝えられる良さがOSTにはある一方、自分の歌は、あまり使って欲しくはなく、歌手専業の方に歌って欲しかったという人もいるなど、俳優さんによっては、自分がOSTを歌うことに、否定的な意見を持っている人もいるということを知れたり……と、この番組に出演できたことで、OSTと俳優さんとの関係性を理解できたことは大きな財産になりました。 そして、実際に歌手の皆さんがOSTを歌う際には、歌手としての自分の世界観をあえて出さずに、ドラマ、そして、そのシーンに合った歌い方で歌わなければならないことに、一番気を遣っているという話を聞き、自己主張してなんぼの歌手の世界で、それを抑えながら歌うことの難しさを知ることができたのも、この番組を介して得た知識の1つです。 ただ、諸事情により、レギュラー番組としてはその歴史に幕を閉じることになりましたが「KOLIST」という形で、BSフジが発信する韓国エンタメプロジェクトの一員として引き続き色んなことにチャレンジしていく予定なので、ご期待ください。 古家正亨(ふるや まさゆき)PROFILE 1974年北海道出身。上智大学大学院文学研究科新聞学専攻博士前期課程修了。専門は韓国大衆文化、日韓文化比較論。2000年以降、ラジオ、テレビなどのマスメディアを通じて、日本における韓国大衆文化の普及に努め、韓国政府より文化体育観光部長官褒章を受章。 また年200回以上の韓流・K-POPイベントのMCを務め、スターとファンの橋渡し役を20 年以上に渡って続けている。現在もNHK R1 「古家正亨のPOP★A」、ニッポン放送「古家正亨 K TRACKS」、FMノースウェーブ「Colors Of Korea」、テレビ愛知「古家正亨の韓流クラス」など、ラジオ・テレビのレギュラー番組を通じて、韓国大衆文化の魅力を紹介している。 主な著書に『K-POPバックステージパス』(イースト・プレス刊)、『DiscCollection K-POP』(シンコーミュージック刊)など多数。 2024年8月26日(月)には自身のファンミーティング「古家x藤原ファンフェスタ スペシャルゲスト超特急カイ」を飛行船シアター (東京都)にて開催! 【文=古家正亨】 ※本記事は古家正亨著の書籍『BEATS of KOREA いま伝えたいヒットメイカーの言葉たち』から一部抜粋・編集しました。