米大統領選でトランプ敗北時に再び生じる混乱のリスク:勝っても負けてもトランプリスク
民主主義の信頼を損ね金融市場に混乱を生じさせるリスクが再び
今回の選挙で仮に、得票数に明確な差があるなかで敗北しても、不正を理由に前大統領が敗北を容易に認めないとすれば、民主主義の根幹をなす選挙制度の信頼性は再び大きく傷つくことになるだろう。 また、選挙結果が確定しない時期が長引けば、国内は混乱し、海外勢力がそれに付け込んで米国に介入を試みる可能性も出てくるだろう。こうした混乱を警戒して、2020年の大統領選挙が近づく中、金融市場ではリスク回避の傾向が強まった。今回も選挙が近づくと同様なことが金融市場に生じる可能性がある。米国株の大幅安やドルの急落など、金融市場に大きな混乱が生じ、その影響は米国にとどまらず、世界に広がる可能性も考えられる。 金融市場はトランプ氏が勝っても負けても、トランプリスクを意識せざるを得ない。 (参考資料) 「平和的権限移譲「確信ない」=トランプ氏敗北なら―バイデン氏」、2024年8月8日、時事通信ニュース 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英