「ダイエット」「年収」関係ある?3年ぶりの国の調査でわかったこと 〝所得が低いと太りやすい〟は本当か
コロナ禍を経て3年ぶりとなる「国民健康・栄養調査」が実施され、その結果が最近、厚生労働省から発表されました。そこからわかるのは、ダイエットに関係する「野菜摂取量」や「歩数」、「睡眠」などの項目について、所得によって有意な差があるということでした。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎) 【画像】ベンチャー企業勤務で低年収だった頃と、現在の記者の姿 体重45kg、体脂肪率20%減
「野菜」「歩数」「睡眠」
新型コロナウイルス感染症の影響により調査中止となっていた、国の「国民健康・栄養調査」。これが3年ぶりに実施され、8月28日に厚生労働省から発表されました。 今回(2022年に実施の調査)は、社会環境と生活習慣等に関する状況についても調査し、世帯の所得を世帯員数の平方根で割って調整した等価所得と生活習慣等に関する状況を把握したのもポイントです。 ここで言う生活習慣には、例えば「野菜摂取量」や「歩数」、「睡眠」など、いわゆるダイエットにも関わるような項目が含まれています。 「所得が低いと太りやすい」と言われることがありますが、今回の調査でも、そのような傾向がみられるのでしょうか。 まず、全体の傾向からみていきます。肥満者(BMI≧25)の割合は、男性31.7%、女性21.0%で、この10年間でみると、女性では有意な増減はみられないのに対し、男性では有意に増加していることがわかりました。 ちなみに、やせ(BMI<18.5)の割合は男性4.3%、女性11.3%で、この10年間でみると、男女とも有意な増減はみられませんでした。 肥満に関係する野菜摂取量。その平均値は270.3gで、男性277.8g、女性263.9gで、この10年間でみると、男女とも有意に減少していることがわかりました。年齢階級別にみると、男女ともに20歳代で最も少なく、年齢が高い層で多くなっていました。 同様に、身体活動も肥満に関係します。このうち、歩数の平均値は男性で6465歩、女性で5820歩で、この10年間でみると、男女とも有意に減少していることがわかりました。 太りやすくなるとされる睡眠不足についても、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分にとれていない者」の割合は20.6%で、2009年から男女とも有意に増加。1日の平均睡眠時間は、6時間未満の者の割合が男性37.0%、女性39.9%で、性・年齢階級別にみると、男性の30~50歳代、女性の40~60歳代で4割を超えていました。 そのほか、調査では病気のリスクを高める飲酒や喫煙といった嗜好品の習慣についても取り上げられています。 コロナ禍を経て初の調査ということで、いわゆる“ステイホーム”のような新型コロナウイルス感染症の感染拡大の健康への影響についても調査され、体重について、「増えた」と回答した人の割合は、男性13.2%、女性16.7%、「減った」と回答した人の割合は、男性7.4%、女性8.1%。 1週間の運動日数について、「増えた」と回答した者の割合は、男性5.0%、女性5.0%、「減った」と回答した者の割合は、男性で12.7%、女性で13.8%でした。