世界記録更新し続ける95歳「現役スイマー」生きがいは“1番”になること 「水泳は人生を支えてくれる」【島根発】
記録更新よりも一番になれない悔しさ
そして、10月20日の「ねんりんピック」本番。全国から「現役」として活躍する高齢スイマーが顔をそろえる中、木村さんの表情はいつもと少し違っていた。 「太ももがつって汗がだらだら出て、何をしても治らなくて、今日は泳げないかなと思っていた」とコンディションが優れないことを明かしたが、「頑張ろうと思う…」と、何としても目標の世界記録をと出場を決意。 50メートル平泳ぎの部で、最高齢の木村さんは、88歳と87歳の「年下」の選手に勝負を挑んだ。後半、苦しい表情をうかべながらも先行する選手に食らいつき、タイムは1分17秒12。 4月に出した世界記録を0.6秒更新したが、木村さんは「悔しい、まぁ記録はいいよ。世界記録よりもちょっと早かったからね。でもやっぱり、みんなの前で1番遅く着くのは嫌だ」と話し、記録更新のうれしさよりも、1番になれなかった悔しさが頭から離れない様子だった。 気持ちを切り替えて、次に狙うのは25メートル平泳ぎの日本記録だ。 「三途の川を渡らなくてよかったら100歳でまた世界記録に挑戦しましょうか」と朗らかに話す木村さん。とにかく「1番」になりたい、100歳になっても世界記録に挑戦をし続ける。95歳の現役スイマーの思いは尽きることはない。 (TSKさんいん中央テレビ)
TSKさんいん中央テレビ