企業倒産が止まらない…24年度上期、TSR調査で10年ぶり5000件超
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した2024年度上期(4―9月)の倒産件数は、ともに3年続けて前年同期を上回った。TDBが前年同期比18・6%増の4990件、TSRが同17・8%増の5095件だった。上期の倒産が5000件を超えるのは10年ぶり。物価高や人件費の高騰などが影響した。人手不足による倒産も増えた。 【グラフ】倒産件数の推移 上期の負債総額はTDBが同16・2%減の1兆3294億9200万円、TSRが同13・8%減の1兆3754億100万円だった。負債が100億円を超える大型倒産の減少が影響した。 TDBの上期の業種別は、2年続けて全業種で前年同期を上回った。製造業が同35・8%増の599件で、最も伸び率が高かった。 TSRの上期の産業別は10産業のうち、金融・保険業を除く9産業で前年同期を上回った。製造業は同26・3%増の585件だった。 今後についてTDBは「24年度下期も企業倒産が減少に転じる要素に乏しく、24年度は11年ぶりの1万件台となる見通し」と指摘する。TSRは「年末に向けて企業の資金需要が活発になり、売り上げ増に新たな資金調達が追いつかない企業は黒字倒産が現実味を帯びてくる。倒産の急増要因は少ないが、息切れ倒産が押し上げて漸増をたどる」とみている。 9月単月の倒産件数は、TDBが前年同月比9・1%増の741件、TSRが同12・1%増の807件だった。前年同月を上回るのはTDBが29カ月連続、TSRが2カ月ぶり。